研究課題/領域番号 |
22H03080
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
各務 博 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (30418686)
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研究分担者 |
堀本 勝久 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 招聘研究員 (40238803)
解良 恭一 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (40400783)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 5,980千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 1,380千円)
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キーワード | Th7R / がん免疫サイクル / scRNAseq / mass cytometry / CD4+ T細胞 / 免疫プレシジョンメディシン / CD4 T細胞 / PD-1阻害薬 / 抗CTLA-4抗体 |
研究開始時の研究の概要 |
免疫チェックポイント阻害薬は進行期癌患者に長期生存をもたらしたが、患者毎に異なる免疫状態を鑑みずに治療がなされることで、有害事象リスクや社会的医療費負担が増大している。本研究では、免疫チェックポイント阻害薬のみならず、手術、放射線治療、分子標的治療、細胞障害性抗癌剤治療がT細胞免疫ネットワークに与える効果を明らかとする。軽微侵襲で経時的に得られる血液検体を用いて、個々の症例で時々刻々と変化する免疫状態を正確に評価し、長期生存に必要な免疫状態に至る治療介入を適切に選択する免疫プレシジョン治療アルゴリズムを開発する。
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研究実績の概要 |
CD62LをダウンレギュレートしたエフェクターCD4+ T細胞クラスターをsingle cell RNA sequencing及びmass cytometry解析することにより、抗PD-1抗体薬治療で奏効した肺癌患者末梢血から、CCR4-CCR6+というケモカインレセプター発現パターンを有する新規クラスターを発見した。IL-7 receptorやTCF7を高発現することから、Th7Rと名付けた。進行期肺癌検証コホートにおいて抗PD-1抗体薬治療の良好な効果予測性能を示し、2022年12月Cancer Research誌に発表した。 また、このTh7Rクラスターについて手術可能早期肺癌コホートを用いて、末梢血、腫瘍所属リンパ節、腫瘍浸潤リンパ球解析を行った。Th7Rは腫瘍浸潤CD4+ T細胞の約1/3を占めていた。これ以外には、Th1が約30-40%、制御性T細胞が15-20%を構成していた。腫瘍所属リンパ節でも、約1/3をTh7Rが占めていたが、腫瘍からより遠隔に存在する縦隔リンパ節ではその割合が有意に少ないことが判明した。手術により肺癌組織と所属リンパ節を喪失した後、末梢血Th7R割合のみが有意に減少した。すなわち、Th7Rはがん免疫サイクル理論で示される通り、腫瘍所属リンパ節で増殖し、末梢血を通って、腫瘍局所に浸潤することで、腫瘍におけるエフェクター型CD4+ T細胞の主な構成成分となっていると考えられた。手術前末梢血Th7Rは、術後無再発生存期間を予測し、Th7R=3.05%を閾値として、P<0.0001, HR 0.100であることが判明した。本研究内容は、現在論文投稿中であり、2023年呼吸器学会で発表する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
進行期肺癌患者末梢血から見出した新規抗腫瘍性Th7Rクラスターの存在を、腫瘍組織、腫瘍所属リンパ節で証明するとともに、その手術後無再発生存期間予測性能を明らかとすることができた。 イピリムマブ+ニボルマブ治療症例、化学放射線-Durvalumab治療症例、EGFR-TKI治療症例など、肺癌症例の検体集積や解析も順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
イピリムマブ+ニボルマブ治療症例、化学放射線-Durvalumab治療症例、EGFR-TKI治療症例などの各種肺癌コホートにおける観察研究を継続し、末梢血T細胞クラスター解析を進める。 イピリムマブ+ニボルマブ治療コホートにおいては、抗CTLA-4抗体治療によるT細胞クラスター変化をscRNAseqを用いて解析する。 Th7Rを分離し、大量細胞からの遺伝子発現解析を行うことで、詳細なcharacterizationを行う。 Th7Rの特異的培養方法を明らかとする。
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