研究課題/領域番号 |
22H03221
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56040:産婦人科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
入山 高行 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (10570442)
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研究分担者 |
熊澤 惠一 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (90444546)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,420千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 4,020千円)
2023年度: 5,850千円 (直接経費: 4,500千円、間接経費: 1,350千円)
2022年度: 6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
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キーワード | 妊娠高血圧腎症 |
研究開始時の研究の概要 |
妊娠高血圧腎症(Preeclampsia: PE)に対する病態に即した根本的治療は存在しない。PEの発症および病態形成の機序として、アンジオテンシンⅡ1型受容体に対する活性化型自己抗体(AT1AA)を介したレニン-アンジオテンシン系(RAS)の亢進による自己免疫学的側面が注目されている。AT1AAは、RASの亢進による高血圧の契機となるだけでなく、絨毛細胞や血管内皮細胞で可溶型VEGF受容体-1 (sFlt-1)の過剰産生を促し、PE病態の本質である全身性の血管内皮障害を惹起してPE発症に深く寄与する。本研究ではこの病態機序を標的としたPEに対する新規治療の開発を目指す。
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研究実績の概要 |
PEの病態形成においてレニン-アンジオテンシン系(RAS)の亢進は中心的な機序である。アンジオテンシンⅡ1型(AT1)受容体の過剰な活性化は、高血圧のみならず、絨毛細胞の機能障害による胎盤機能不全、腎障害などPEに特徴的な多臓器障害を惹起する。RASの阻害は、母体症状と胎盤機能不全の両者を改善する、PEに対する理想的な治療となりうる。しかし、RAS阻害剤は、胎児毒性のために妊娠中に投与ができないという大きなジレンマがある。胎児への毒性懸念のない非胎盤通過型アンジオテンシンⅡ1型受容体拮抗剤(ARB)の創製によるRAS亢進の抑制に向け、既存のARBを出発点として新しい化合物の合成展開を行った。既存のARBを多量体化したり、酸性残基を導入してイオン化を増強したり、脂溶性の低減を図ることで、妊娠マウスにおける化合物の胎仔への移行(胎盤通過性)が抑制される、という結果を得た。さらに、ヒト胎盤を用いた還流実験を行い、得られた化合物が既存薬に比べて十分に透過性が抑制されていることを確認した。また、アンジオテンシンを投与することによるマウスモデルを施行し、化合物が十分な薬効を示すことを確認した。 また、RASの亢進をきたす分子Xを阻害する新たな治療法の開発に向けて研究を展開している。分子Xはわが国の妊娠高血圧腎症患者においてどの程度の頻度でその血中濃度が亢進しているのか明らかとされていない。そこで、分子Xの血中濃度を鋭敏にハイスループットで測定できる系を確立した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね計画通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
東京大学創薬機構からの支援を継続的に受けつつ、研究を展開していく。非胎盤通過型の新薬の創製においては、化合物の合成展開、マウスでの濃度の測定などの協力を得つつ、現在得られている化合物よりもさらに胎盤透過性が低く、薬効を十分に有する化合物の取得を目指す。 分子Xを阻害する新たな治療法の開発に向けて、今後は患者血清を用いての分子X濃度の測定と分子Xの精製、阻害活性を有する物質の取得に向けて研究を展開していく。
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