研究課題/領域番号 |
22H03235
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分56050:耳鼻咽喉科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
丹生 健一 神戸大学, 医学研究科, 教授 (20251283)
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研究分担者 |
四宮 弘隆 神戸大学, 医学部附属病院国際がん医療・研究センター, 特命准教授 (00725385)
手島 直則 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (10749146)
上原 奈津美 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (40570502)
井之口 豪 神戸大学, 医学研究科, 准教授 (10457046)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2023年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | B-7 / immune checkpoint / squamous cell carcinoma / adenoviral vector / 頭頸部癌 / 扁平上皮癌 / 免疫チェックポイント阻害剤 / B7 / CD80 / 遺伝子導入 / アデノウイルスベクター / 頭頸部がん |
研究開始時の研究の概要 |
我々の取り組んできた遺伝子治療・ウイルス治療を、免疫チェックポイント阻害剤を用いた治療と併用することで生存率の向上につながるか否かを明らかにする。マウス扁平上皮癌モデルを用いて、放射線治療(RT)+抗がん剤(CDDP)+免疫チェックポイント阻害剤(ICI)を組み合わせた治療、ICI単独治療をコントロール群とし、腫瘍免疫を活性化させる共刺激分子を組み込んだアデノウイルス(Ad-B7)、癌抑制遺伝子p53の 正常遺伝子を組み込んだアデノウイルス (rAd-p53)を腫瘍細胞 に局所投与し、アデノウイルスベクターを用いた遺伝子治療の併用により、局所制御とアブ スコパル効果が向上するかを検討する。
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研究実績の概要 |
【目的】頭頸部癌においても再発・転移癌において免疫チェックポイント阻害薬が保険適応となり日常診療で広く用いられているが、奏功率は20%程度に留まっている。こうした背景から、再発転移頭頸部癌に対する新た治療法の開発を目指し、共刺激分子B7(CD80)遺伝子導入による再発転移頭頸部癌に対する免疫チェックポイント阻害剤の作用増強効果について検討した。 【方法】マウス扁平上皮癌モデルに対する共刺激分子B7(CD80)の遺伝子を組み込んだ非増殖型アデノウイルスベクター(Ad-B7)の腫瘍内投与と抗PD-1抗体の併用効果を、コントロール群、抗PD-1抗体投与群、Ad-B7遺伝子導入群、抗PD-1抗体+Ad-B7遺伝子導入群の4群を作成して比較検討した。 【結果】抗PD-1抗体+Ad-B7遺伝子導入群のマウスにおいて、有意に腫瘍縮小効果が得られた。他群と比較し、抗PD-1抗体+Ad-B7遺伝子導入群において、脾臓内のT細胞ではインターフェロンγが有意に上昇し、腫瘍内では制御性T細胞が有意に減少し、Ki-67陽性の腫瘍浸潤CD8陽性T細胞が有意に増加していた。 【考察】B7遺伝子の導入と抗PD-1抗体の併用により、T細胞のがん細胞に対する免疫応答が活性化され、顕著な抗腫瘍効果が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
頭頸部癌においても再発・転移癌において免疫チェックポイント阻害薬が保険適応となり日常診療で広く用いられているが、奏功率は20%程度に留まっている。こうした背景から、再発転移頭頸部癌に対する新た治療法の開発を目指し、共刺激分子B7(CD80)遺伝子導入による再発転移頭頸部癌に対する免疫チェックポイント阻害剤の作用増強効果について検討した。抗PD-1抗体+Ad-B7遺伝子導入群のマウスにおいて、有意に腫瘍縮小効果が得られた。他群と比較し、抗PD-1抗体+Ad-B7遺伝子導入群において、脾臓内のT細胞ではインターフェロンγが有意に上昇し、腫瘍内では制御性T細胞が有意に減少し、Ki-67陽性の腫瘍浸潤CD8陽性T細胞が有意に増加していた。B7遺伝子の導入と抗PD-1抗体の併用により、T細胞のがん細胞に対する免疫応答が活性化され、予想どおりに顕著な抗腫瘍効果が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究で、B7遺伝子の導入と抗PD-1抗体の併用により、T細胞のがん細胞に対する免疫応答が活性化され、顕著な抗腫瘍効果が得られることを確認できた。今後は、更にシスプラチンなどの殺細胞性抗がん薬や放射線治療との相乗効果を検討していく予定である。
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