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低酸素環境下にある骨格系の恒常性維持と破綻における硫黄呼吸の役割解明

研究課題

研究課題/領域番号 22H03256
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
審査区分 小区分57010:常態系口腔科学関連
研究機関昭和大学

研究代表者

上條 竜太郎  昭和大学, 歯学部, 教授

研究期間 (年度) 2022
研究課題ステータス 中途終了 (2022年度)
配分額 *注記
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2022年度: 5,720千円 (直接経費: 4,400千円、間接経費: 1,320千円)
キーワード超硫黄分子 / 硫黄呼吸 / 骨代謝 / 活性硫黄分子種 / 骨格系
研究開始時の研究の概要

骨格系細胞(軟骨細胞、骨芽細胞、破骨細胞、骨細胞)の増殖や分化マーカー遺伝子の発現、細胞外基質タンパク質や分泌タンパク質の産生、石灰化、骨吸収活性などを指標に、酸素分圧が骨格系細胞の分化および機能に与える影響を明らかにする。
活性硫黄分子産生酵素の発現、硫黄呼吸に関わるミトコンドリア酵素の発現を指標に、酸素分圧が骨格系細胞における硫黄呼吸に与える影響を明らかにする。
硫黄呼吸と骨格系の疾患の関係を明らかにするために、今年度はまず、活性硫黄分子種産生酵素の遺伝子改変マウスにおける変形性関節症の病態を解析する。

研究実績の概要

血管が存在しない軟骨はもちろん、骨組織も低酸素環境下にある。これら骨格系を構成する、軟骨細胞、骨芽細胞、骨細胞、破骨細胞は、低酸素環境に適応していると言える。我々の細胞のエネルギー産生は、好気的な条件では、電子伝達系の最終的な電子受容体として酸素を用いる、いわゆる呼吸によって行われている。一方、我々は、硫黄原子が複数連結した活性硫黄分子種が電子伝達系の電子受容体として機能することでATP産生を行う、硫黄呼吸を発見した。低酸素環境下にある上記骨格系細胞は、硫黄呼吸を利用している可能性が考えられる。そこで本研究の目的は、酸素分圧が骨格系細胞のエネルギー代謝・硫黄呼吸に及ぼす影響、低酸素分圧下で骨格系細胞の生存・機能維持に硫黄呼吸が果たす役割、整体での生理的骨・軟骨代謝における硫黄呼吸の役割、骨格系疾患の病態形成における硫黄呼吸の役割解明と新規治療法の開発のための基盤構築である。
本年度は、変形性関節症における軟骨細胞の細胞死に対する酸素分圧の影響を調べた。さらに、骨代謝実行細胞である骨芽細胞および破骨細胞の分化における超硫黄分子の役割を解析した。関節軟骨の酸素分圧は、滑液の供給が豊富な表層で約6%であるが深部では1%あるいはそれ以下であることが知られている。また、変形性関節症での軟骨変性は、表層から起こることが知れている。一方、我々は、モノカルボン酸トランスポーター-1(MCT-1)を介した細胞呼吸に伴う活性窒素酸素種の生成がインターロイキン-1βによる軟骨細胞死と軟骨基質分解に関わることを見出している。本研究では、MCT-1が関与する軟骨細胞の細胞死が1%酸素に比べ6%酸素環境下で強く起こることを発見した。骨芽細胞による石灰化が超硫黄分子酸性酵素(CARS2)の遺伝子発現抑制により強く抑制されることを見出した。また、マクロファージから破骨細胞への分化がCARS2遺伝子ノックアウトにより遅延し、超硫黄分子ドナーにより回復することを見出した。さらに、超硫黄分子は、カルシウム・カルシニウリン系を介して破骨細胞分化を促進することが明らかとなった。これらのことから、超硫黄分子は骨形成と骨吸収のいずれにも正の制御因子として重要な役割を持つと考えられた。

現在までの達成度 (段落)

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和4年度が最終年度であるため、記入しない。

報告書

(1件)
  • 2022 実績報告書
  • 研究成果

    (16件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (11件)

  • [雑誌論文] Exploring the pathophysiological mechanism of interstitial edema focusing on the role of macrophages and their interaction with the glycocalyx.2023

    • 著者名/発表者名
      Nishida R, Suzuki D, Akimoto Y, Matsubara S, Hayakawa J , Ushiyama A, Sasa K, Miyamoto Y, Iijima T, Kamijo R
    • 雑誌名

      J Oral Biosci

      巻: 65 号: 1 ページ: 111-118

    • DOI

      10.1016/j.job.2023.01.001

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Ctahepsin K degrades osteoprotegerin to promote osteoclastogenesis in vitro.2023

    • 著者名/発表者名
      Kawai R, Sugisaki R, Miyamoto Y, Yano F, Sasa K, Minami E, Maki K, Kamijo R
    • 雑誌名

      In Vitro Cell Dev Biol Anim

      巻: 59 号: 1 ページ: 10-18

    • DOI

      10.1007/s11626-023-00747-5

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Knee meniscus regeneration using autogenous injection of uncultured adipose tissue-derived regenerative cells2022

    • 著者名/発表者名
      Itose Masakatsu、Suzawa Tetsuo、Shibata Yo、Ohba Shinsuke、Ishikawa Koji、Inagaki Katsunori、Shirota Tatsuo、Kamijo Ryutaro
    • 雑誌名

      Regenerative Therapy

      巻: 21 ページ: 398-405

    • DOI

      10.1016/j.reth.2022.09.003

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 8-Nitro-cGMP suppresses mineralization by mouse osteoblasts2022

    • 著者名/発表者名
      Kaneko K, Miyamoto Y, Ida T, Morita M, Yoshimura K, Nagasaki K, Toba K, Sugisaki R, Motohashi H, Akaike T, Chikazu D, Kamijo R
    • 雑誌名

      Journal of Clinical Biochemistry and Nutrition

      巻: 71 号: 3 ページ: 191-197

    • DOI

      10.3164/jcbn.21-129

    • ISSN
      0912-0009, 1880-5086
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Low oxygen tension suppresses the death of chondrocyte-like ATDC5 cells induced by interleukin-1β.2022

    • 著者名/発表者名
      Tanaka M, Miyamoto Y, Sasa K, Yoshimura K, Yamada A, Shirota T, Kamijo R.
    • 雑誌名

      In Vitro Cell Dev Biol Animal

      巻: 58 ページ: 521-528

    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] レドロン酸のヒト末梢血単核細胞に対する作用.2022

    • 著者名/発表者名
      山田篤、上條竜太郎
    • 学会等名
      第40回 日本ヒト細胞学会学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 活性硫黄分子種はカルシウム・カルシニウリン経路を活性化し破骨細胞分化を促進する2022

    • 著者名/発表者名
      杉崎リサ、宮本洋一、金子児太郎、上條竜太郎、近津大地
    • 学会等名
      第76回NPO法人日本口腔科学会学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 細胞外pHは骨細胞による骨代謝回転調節を制御する2022

    • 著者名/発表者名
      池﨑かおり、宮本洋一、吉村健太郎、笹 清人、山田 篤、木下三博、上條竜太郎、代田達夫
    • 学会等名
      第76回NPO法人日本口腔科学会学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] Enhanced sclerostin production by osteocytes in response to acid stimulation.2022

    • 著者名/発表者名
      Ikezaki-Amada K, Miyamoto Y, Kamijo R
    • 学会等名
      70回JADR総会・学術大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 一酸化窒素と活性酸素の下流シグナル分子8-ニトロ-cGMPによる骨代謝調節2022

    • 著者名/発表者名
      金子児太郎、宮本洋一、吉村健太郎、近津大地、上條竜太郎
    • 学会等名
      第64回歯科基礎医学会学術大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 酸素分圧に依存した軟骨細胞死におけるモノカルボン酸トランスポーター-1の役割2022

    • 著者名/発表者名
      田中元博、宮本洋一、笹 清人、山田 篤、代田達夫、上條竜太郎
    • 学会等名
      第40回 日本ヒト細胞学会学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 細胞外pHは骨細胞による骨代謝回転を制御する2022

    • 著者名/発表者名
      天田かおり、宮本洋一、代田達夫、上條竜太郎
    • 学会等名
      第64回歯科基礎医学会学術大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 破骨細胞由来プロテアーゼによる破骨細胞分化の調節2022

    • 著者名/発表者名
      河合良太、宮本洋一、矢野文子、長濱 諒、上條竜太郎、槇 宏太郎
    • 学会等名
      第81回日本矯正歯科学会学術大会&第9回日韓ジョイントシンポジウム
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] The roles of sulfides in bone resorption.2022

    • 著者名/発表者名
      Miyamoto Y, Sugisaki R, Akaike T, Chikazu D, Kamijo R
    • 学会等名
      ♪4^<th>♪ International Conference on Persulfide and Sulfur Metabolism in Biology and Medicine.
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 破骨細胞由来プロテアーゼによる破骨細胞分化の調節2022

    • 著者名/発表者名
      河合良太、宮本洋一、矢野文子、長濱 諒、上條竜太郎、槇 宏太郎
    • 学会等名
      第69回昭和大学学士会総会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書
  • [学会発表] 生体内プロテアーゼによる骨代謝調節2022

    • 著者名/発表者名
      河合良太、宮本洋一、矢野文子、長濱 諒、槇 宏太郎、上條竜太郎
    • 学会等名
      第58回日本口腔組織培養学会学術大会
    • 関連する報告書
      2022 実績報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2025-03-27  

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