研究課題/領域番号 |
22H03303
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分57080:社会系歯学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
竹下 徹 九州大学, 歯学研究院, 教授 (50546471)
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研究分担者 |
古田 美智子 九州大学, 歯学研究院, 講師 (20509591)
二宮 利治 九州大学, 医学研究院, 教授 (30571765)
山下 喜久 九州大学, 歯学研究院, 教授 (20192403)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2023年度: 7,150千円 (直接経費: 5,500千円、間接経費: 1,650千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 口腔常在微生物叢 / 16S rRNA / 唾液 / 長期動態 / 16S rRNA遺伝子 / マイクロバイオーム |
研究開始時の研究の概要 |
口腔常在微生物叢の構成バランスの異常と健康との関連が注目を集めている一方で、微生物叢が異常に至る経緯は不明なままである。本研究では2007年に開始した口腔常在微生物叢調査の追跡調査を行い、高精度微生物群集解析法を用いて一千名規模の口腔常在微生物叢構成の15年追跡データセットを構築する。これに基づき口腔常在微生物叢の正常な加齢変化を定義し、微生物叢構成の異常と健康悪化との関係性を解明する。さらに健康悪化に先んじてみられる構成異常に関わる宿主要因及びその病原メカニズムを探索する。世界に先駆けた口腔常在微生物叢の長期動態の解明は微生物叢の異常に先制的に介入する新たな口腔保健管理手法の開発の礎ともなる。
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研究実績の概要 |
本年度は2007年、2012年、2017年に行われた住民健診のいずれにも参加し歯科健診と唾液の提供を行った対象者の一部について口腔常在微生物叢の微生物量と微生物構成の経時変化の分析を進めた。保管されている唾液微生物群集DNA検体から節目年齢に該当する対象者の三時点の検体を抽出し、細菌16S rRNA遺伝子全長を網羅的に増幅・回収した。ロングリードシーケンサーを用いてHiFi Readモードで含まれる塩基配列を高精度に解読した。取得した塩基配列の解読エラーを補正したのち口腔細菌データベースeHOMDに登録されている口腔細菌16S rRNA遺伝子塩基配列に基づき構成細菌種を同定していくことで各検体の細菌構成を決定した。細菌16S rRNA遺伝子全長の塩基配列から決定した細菌構成は過去に次世代シーケンサーを用いて細菌16S rRNA遺伝子V1-V2領域を用いて決定した細菌構成と比較評価を行ない概ね一致することを確認したのち、各年度の横断データを用いて対象者の年齢と細菌構成との関連について検討した。さらに同一対象者の5年、10年間の細菌構成の変化について確認を行った。真菌構成の分析を行うため、口腔真菌構成の解析に適した遺伝子領域について再検討を行った。また細菌、真菌それぞれの共通配列をプライマーとした定量PCR法を用いて総細菌数および総真菌数の測定を進めた。加えて、2023年度に予定している口腔常在微生物叢追跡調査の遂行に向けて関係部署と打ち合わせを行い準備を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請当初に予定していた15年目の口腔常在微生物叢追跡調査は新型コロナウイルス感染症蔓延の影響を受け今年度遂行することは叶わなかった。一方で過去の調査で既に取得していた検体を分析することで解析系に問題がないことを確認できたとともに口腔常在微生物叢の長期変化のおおまかなパターンを把握することができた。延期された調査も2023年度に行う目処が立ったことからおおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は2022年度から延期された住民健診にて口腔常在微生物叢追跡調査を実行する。取得した検体を含め微生物群集解析を進め微生物叢構成変化についてのデータセットを構築し微生物叢の長期動態を明らかにする。
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