研究課題/領域番号 |
22H03443
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
田村 学 東京女子医科大学, 医学部, 准教授 (80453174)
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研究分担者 |
平田 晃正 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00335374)
佐藤 生馬 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 准教授 (00586563)
山口 智子 神戸大学, 未来医工学研究開発センター, 特命講師 (40879970)
角田 明子 東京女子医科大学, 医学部, 作業療法士 (50897064)
桑野 淳 東京女子医科大学, 医学部, 後期臨床研修医 (50962792)
ゴメスタメス ホセデビツト 千葉大学, フロンティア医工学センター, 准教授 (60772902)
若林 秀隆 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (80508797)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,290千円 (直接経費: 13,300千円、間接経費: 3,990千円)
2023年度: 5,070千円 (直接経費: 3,900千円、間接経費: 1,170千円)
2022年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
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キーワード | 脳磁気刺激 / 脳機能マッピング / 電気刺激シミュレーション / 機能リハビリテーション / 画像セグメンテーション / 経頭蓋磁気刺激 / リスクマップ |
研究開始時の研究の概要 |
脳腫瘍摘出後の生活の質を左右する2つの柱は腫瘍摘出率と運動・高次脳機能合併症の発生率と考えられる。術前における脳機能予測は合併症低減に効果的といえるが、術中脳変形の程度や脳機能修飾過程を反映した電気刺激範囲・条件の標準化は行われておらず精度検証も不十分である。この課題解決のため、脳磁気刺激情報を反映した脳変形解剖情報・脳機能計算情報を多元的に手術室の術者・検査者に提示・支援する腫瘍摘出シミュレーションを実現、前方視的に検証したい。さらに、手術後のリハビリテーションを併用した神経機能回復維持の評価を行い、神経機能予後や病理データを基にしたAI解析を通じ、本質的な神経修飾機構を解明する。
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研究実績の概要 |
令和4年度における研究目標の1つとして、術中脳変形情報を修正しながら、脳機能部位情報を予測し標準化することを挙げており、所属機関のスマート手術室で実施した手術データ利活用する目的で55例のデータ抽出並びに解析を行った。具体的には、手術工程及び画像セグメンテーションについてAI解析を行い、脳機能位置を標準脳に統合する手法を確立した。この研究結果の成果により、術前磁気刺激情報から電気刺激の物理と電気生理応答を統合したシミュレーションと高精度な機能部位推定を行う準備を整えることができた。また、脳変形を伴う患者術中MRIに、機能情報を付加した標準脳を統合する画像変換工程を最適化すると共に、ここで作成した標準脳上に術中脳機能リスクマップを投影し、シミュレーションを実現するにいたりその結果を論文にまとめた。 さらに、運動野近傍に腫瘍が局在する手術予定患者への前向き観察研究として、学内倫理委員会のの手続きも進め、研究登録の準備が整えられた。また、磁気刺激によって運動誘発電位が記録でき被験者のMRI上に投影記録されることを研究分担者ボランティアに対し複数回のシミュレーションで確認し、予定通りの記録取得並びに保存可能であることを確認した。 具体的な研究手順として、運動野近傍に位置する脳腫瘍患者を適切にリクルートするため、定期的な脳腫瘍チームを脳神経外科医、リハビリ専門医、作業療法士、理学療法士で編成されたミーティングを重ね、術前後トータルに脳機能評価及び生活評価ができるシステムを作り上げた。この結果について学会報告としてまとめると共に、令和5年度より本格的な患者登録と術前後の適切かつ正確な脳機能評価、磁気刺激検査結果取得、リハビリテーション結果との関連評価につなげる基盤を構築した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
学内倫理委員会申請にあたり、多施設共同研究として申請手続き並びに患者データの最適なデータ取得方法を確立するため、特定臨床研究としての位置づけでは無く、前向き観察研究として研究方法を最適化し、研究者間の同意に時間を要した。このため、患者登録前のシミュレーション作業を開始する時期が遅れた。なお、患者登録のための準備は既に整っていることから、研究を本格的に進める準備は整っている。
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今後の研究の推進方策 |
患者登録について綿密なチーム内での検討を頻回に行い、適切で迅速かつ確実な手順で行うことが第1と考えている。症例登録そのものが予定通り進まない場合には、データ取得数の変更についての検討なども考慮するようにする。
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