研究課題/領域番号 |
22H03940
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90110:生体医工学関連
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
樋口 ゆり子 京都大学, 薬学研究科, 准教授 (40402797)
|
研究分担者 |
山下 富義 京都大学, 薬学研究科, 教授 (30243041)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
17,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 3,960千円)
2023年度: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
|
キーワード | ドラッグデリバリー / 間葉系幹細胞 / 肝線維化治療 / ドラッグデリバリーシステム / 低分子抗体 / 肝炎 |
研究開始時の研究の概要 |
間葉系幹細胞によるタンパク質や細胞外微粒子を介した短期的なパラクライン効果が移植片拒絶や抗炎症の治療に有効である。一方、間葉系幹細胞は多分化能を有するため、線維化や機能不全に陥った臓器の再生治療への利用が期待されているが、生体内に投与された間葉系幹細胞が分化することはほとんどなく臓器再生には至っていない。本研究では、低分子抗体を標的指向化リガンドとして、間葉系幹細胞に化学修飾することで、低分子抗体の抗原認識を利用して、炎症肝臓へ間葉系幹細胞を送達し、さらに、送達された場所の環境特異的に分化誘導を促進される細胞を作製し、間葉系幹細胞を利用した組織線維化の治療を目指す。
|
研究実績の概要 |
本研究では、肝線維化治療をモデルとして検証する。まず、線維化が進行する箇所の環境に応答して肝細胞への分化誘導分子を発現する仕組みを構築することにした。肝線維化の初期である肝炎の環境においては炎症性サイトカインの濃度が高い。そこで、サイトカイン刺激によるユビキチンプロテアソーム経路によるタンパク質分解を利用することで、サイトカイン刺激により分解するリプレッサーを作製した。さらに、このリプレッサーを発現する細胞株を作製し、TNFを添加するとリプレッサーが分解されることを確認した。また、このリプレッサーが結合する配列の下流にマーカーとして蛍光タンパク質の発現配列を配置したベクターを作製し、リプレッサーと共発現させると蛍光タンパク質の発現が抑制された。また、治療実験に向けて、コリン欠乏食と四塩化炭素投与により肝線維化モデルマウスを作製した。肝臓の切片を免疫染色すると、肝線維化マーカーであるaSMAの発現の亢進が確認できた。以上、本年は、環境応答性遺伝子発現システムの構築と肝線維化モデルの構築を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大きな変更や遅延はなく、ほぼ計画通りに進んでいる。遺伝子発現抑制の解除について上手くいっていないが、原因がいくつか明らかになっており、改善の方向性が見えている。
|
今後の研究の推進方策 |
まず、遺伝子発現の抑制の解除について、今回見出した課題について、解決を図る。次に、炎症部位への細胞のデリバリー、および、微小環境に応答して治療分子を発現する仕組みの構築に着手する。
|