研究課題/領域番号 |
22H03982
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分90130:医用システム関連
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研究機関 | 香川高等専門学校 |
研究代表者 |
石井 耕平 香川高等専門学校, 機械電子工学科, 准教授 (40710653)
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研究分担者 |
徳田 太郎 香川高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (20425143)
北村 大地 香川高等専門学校, 電気情報工学科, 講師 (40804745)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,940千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 4,140千円)
2023年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 13,000千円 (直接経費: 10,000千円、間接経費: 3,000千円)
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キーワード | 爪 / 付け爪 / ウェアラブル / 連続血圧 / 遠隔モニタリング / ウェアラブルセンサ / 血圧 / 遠隔モニタリンク |
研究開始時の研究の概要 |
爪の表面に取り付け、皮膚に触れずに使用できる“付け爪型ウェアラブルセンサ”を確立し、生活環境下における連続バイタルセンシングの実現による医療・ヘルスケアの向上に寄与することが、本研究の目標である。付け爪を応用することで、デバイスの装着感がなく、長期間(2~4週間)強固に固定でき、多点同時計測が可能なデバイスが実現できる。これまでの研究により、爪には心拍に起因する周期的な微小ひずみが存在することを発見した。本研究では、爪の微小ひずみを利用することで、付け爪型ウェアラブルセンサに組込み可能な、新たな血圧計測技術を構築する。
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研究実績の概要 |
被験者を対象とした実験環境の構築として、ひずみゲージによる爪の微小ひずみ、レーザードップラ―血流計による末梢血流量、非観血連続血圧計による血圧計測を被験者に対して実施できる環境を構築した。これらの環境を用いて、被験者を対象とした実験を進めている。指や爪、骨の形状、血管走行は個人差があり、個人差が計測に及ぼす影響を検証する必要がある。そこで、指先の3Dモデルに対して有限要素解析行うこととした。この有限要素解析では、MRI撮影した被験者の指の断層画像を用いて、指、爪、骨を含む3Dモデルを構築した。このモデルに文献に基づいて配置及び直径を決定した血管モデル組込み、解析モデルとした。解析の妥当性を検証することを目的として、安静時の血圧変動を入力情報として解析を行った。結果として、爪に生じるひずみの振幅は10^-5程度、ひずみの大きさは縦方向に比べ横方向が大きい結果となった。これまでに得られている被験者実験の結果との対応が確認できたといえる。生活環境下において計測を行った際、心拍由来の信号に重畳する体動由来のノイズ成分除去が課題となる。そこで、ノイズ成分除去を目的とした信号処理の基礎実験として、深層ニューラルネットワークを用いた心拍推定のためのプログラム実装を行った。使用したモデルは5つであり、模擬データによる解析実施し,睡眠時及び通常活動時の両方においてより高い精度で心拍数を予測できるモデルについて検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
基本原理の構築に向けた基礎データ収集として、被験者を対象とした実験が必要となる。今年度は、被験者を対象とした実験によるデータ収集のための環境構築を完了し、被験者実験を実施中である。有限要素解析による個人差の評価については、MRI断層画像に基づくモデルを構築し、妥当性を検証することができた。その一方で、MRI断層画像の解像度は高くないことから、細い血管については、文献の情報を参考にモデルを構築した。信号処理については、深層ニューラルネットワークの5つのDNNモデルを実装し、基礎実験として心拍解析を行い、モデルの特性の比較を行った。
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今後の研究の推進方策 |
被験者を対象とした実験では、現時点での被験者数が3名となっており不足していることから、今後実験数を増やしていく。有限要素解析による個人差の評価については、指や爪の外形については、3Dスキャナにより取得、モデル構築することにより、よりスムーズに多様な爪形状をモデル化できると考えられることから、3Dスキャナを用いたモデル構築を行い、モデルの妥当性の検証を進める。信号処理については、これまでは模擬データを用いた解析を行ってきたが、被験者実験により取得したデータを対象とした解析を進めていくこととする。
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