研究成果の概要 |
本研究では,幼児期の「レジリエンス」を育成する環境・援助と評価方法について明らかにすることを目的とした。この目的を達成するために,環境・援助として,5歳児の協同的な運動遊びに焦点をあててチーム戦など協同的な活動を行った。評価方法としては,エピソードを基にした小学校教員とのカンファレンスとルーブリックに基づく評価方法を開発した。その結果,本実践を通して幼児の「レジリエンス」の基礎となる資質・能力(コラボレーションする力)の高まりについて質的・量的の両側面から明らかにすることができた。また,カンファレンスを基に,幼小接続期で大事にしたい環境・援助の在り方についても新たな提案をすることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
協同的な運動遊びにおいて,失敗と成功の過程でレジリエンスの基礎となる資質・能力の高まりが見られた。このようなレジリエンスの育成は,予測困難な時代を生きていく子どもたちには,将来の幸福感を高めるために非常に重要である。評価方法は,エピソードを基にした小学校教員とのカンファレンスとルーブリックに基づく質的・量的の両側面を開発した。このことは,主観的な子ども理解にとどまらず,客観的な評価につながり,幼児の発達や教育に関わる新たな洞察が可能になると考える。また,幼小接続期にレジリエンスを育むための具体的な環境・援助を明らかにしたことは,資質・能力を柱とした幼小の学びの連続性の研究に応用できると考える。
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