研究課題/領域番号 |
22H04145
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
1200:教育工学関連
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研究機関 | 鈴鹿市立合川小学校 |
研究代表者 |
勝井 まどか 鈴鹿市立合川小学校, 小学校教員
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
460千円 (直接経費: 460千円)
2022年度: 460千円 (直接経費: 460千円)
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キーワード | JSL児童 / 困り感への理解促進 / 読解力 / 自己有用感 / リライト教材 / 小学校 |
研究開始時の研究の概要 |
小学校国語科の文章の読み取りでは,語彙力や読解力に個人差がみられる。日本語を母語としないJSL児童に対する日本語学習支援の1つにリライト教材がある。リライト教材は,教科書教材の文章表現をやさしい日本語に書き換えたものであり,通常は教員が作成する。本研究は,日本語話者の児童がリライト教材を作成する学習をおこなうことで,作成した児童の語彙力・読解力の向上に効果があるか,また,リライト教材をつくる際に相手意識をもたせることで,JSL児童の困り感の理解を促進する効果があるかについて明らかにする。
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研究成果の概要 |
JSL児童のために日本語話者の児童にリライト教材の作成をさせ、その効果を言葉の理解力向上、JSL児童の困り感への理解促進、自己有用感の向上の観点で調査した。 「リライトの作成が自分の役に立ったか」に対して、91%の児童から肯定的な回答を得た。自由記述では「言葉の違う表現方法を学び、言葉を深く考えるきっかけとなった」という意見が多く見られた。何気なく使っている言葉をさらに深く考えるきっかけになった可能性は高い。 また、質問紙の結果から、JSL児童の言語的な困り感に対する理解が促進された可能性が示唆された。さらに、自己有用感については、64%が肯定的な回答をし、一定の有用感を得ることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本社会において、日本語を母語としないJSL児童の増加は今後も続くことが予想されている。とくに初等教育の段階では、JSL児童への日本語教育も重要な課題であるが、JSL児童の困り感に対する周りの児童の理解促進も必要である。 JSL児童が使用するリライト教材を日本語話者の児童が作成することで、JSL児童の困り感への理解促進につながるとともに、作成した児童自身の言葉の深い理解や役立ち感をともなった自己有用感につながることが示唆された。
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