研究課題/領域番号 |
22H04147
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
1200:教育工学関連
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研究機関 | 京都府立園部高等学校 |
研究代表者 |
髙橋 幸太郎 京都府立園部高等学校, 京都府教育委員会 非常勤講師
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
320千円 (直接経費: 320千円)
2022年度: 320千円 (直接経費: 320千円)
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キーワード | 高校物理 / 動機づけ / 宿題 / 物理概念 / メタ認知的方略 / 自己調整学習 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,高等学校物理の授業における「自己調整学習」を促す介入法について,特に宿題とITセンサに注目し,これらを積極的に活用することの有用性について検討する。 具体的には,授業と宿題を連動させることにより物理学習に対する自信の喚起を,ITセンサの活用により授業のActive化および実験後の省察の促進を目指す。 以上の介入により,「動機づけ」と「メタ認知的方略」の向上が実現できれば,これらを主要素にもつ「自己調整学習」の支援になり得ると考えられる。
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研究成果の概要 |
本研究では高校生の自立的学習を目指し,やる気を表す「動機づけ」,勉強方法を表す「メタ認知的方略」,物理の理解を表す「概念理解」に対して,宿題とITセンサを積極的に用いてはたらきかけを行った。 介入の前後で動機づけ得点と概念理解得点は有意に向上したが,メタ認知的方略得点は僅かに向上したものの,その差に有意性は見られなかった。ここから本介入は動機づけおよび物理概念の理解の支援としては有効ではあるものの,メタ認知的方略の支援としては不十分であることが示唆された。要因として本介入はメタ認知的方略の紹介に留まったことが挙げられ,学習方略を実際に活用する機会を提供することが重要であると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
【学術的意義】「自己調整学習」は,近年本邦でも注目を集める概念であるが,物理教育研究では自己調整学習に関する知見がほとんど見当たらない。この現状に対して,自己調整学習の主要素である動機づけとメタ認知的方略の介入法について,具体的な実践例を報告した点に本研究の学術的意義は生じると考えられる。 【社会的意義】新学習指導要領では新たに,「自己調整学習」の観点に基づいた評価が取り入れられた。しかし教育現場では,その支援法と評価法に混乱が生じている。この実態に対して,特に自己調整学習の支援法に関する知見を提出した点に本研究の社会的意義は生じると考えられる。
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