研究課題/領域番号 |
22H04183
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
1210:科学教育関連
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
森中 敏行 大阪教育大学, 附属学校園, 高等学校教諭
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
460千円 (直接経費: 460千円)
2022年度: 460千円 (直接経費: 460千円)
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キーワード | 理科教育 / 生物教育 / 実験教材 / 理数探究教材 / データ処理教材 / カタラーゼの反応速度 / 高等学校 / 理数探究 / データ処理・考察 / 実践教材 |
研究開始時の研究の概要 |
2022 年度より高等学校「理数科」が新設され、その目標は、「数学的な見方・考え方や理科の見方・考え方を組み合わせ、課題を解決するために必要な資質・能力」を育成することとされている。しかし、その教材は、ほとんどない。 そこで、カタラーゼ(酵素)による過酸化水素の分解速度(2H2O2 → 2H2O + O2↑)を求める実験を基軸に開発を行う。具体的には、松宮誠氏によって開発された手法を用いて、過酸化水素分解速度を求める。しかし、反応液の粘性と気泡の発生により、一定に酸素が拡散せず、測定値は、安定しない。そこで、測定値の変動幅が少ない方法を開発し、「理数科」での教材を開発する。
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研究成果の概要 |
カタラーゼの分解速度を題材にデータ処理や考察の重要性を認識させる教材開発に取り組んだ。一般的にニワトリのササミの粗酵素液を用いるが、粘性と気泡により、一定に酸素が拡散せず、測定値の変動幅が大きい。 そこで、気泡削除と粘性の低下を試みた。気泡の削除は、プロペラによる撹拌、超音波照射、消泡材の添加を試みたが、いずれも効果は見られなかった。粘性の低下については、硫安による塩析法を試みたが、回収率が悪く生徒実験での使用は困難と判断した。 そのため、データの「ばらつき」の処理方法も検討する実験教材を開発した。この教材は、データ処理により生じた新たな疑問に対して、仮説を設定し、検証実験を行う内容である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
2022 年度より高等学校「理数科」が新設されたが、その教材は、ほとんどなく、一方、生徒は、ルーテイン通りの実験を行い、データを処理し、グラフまでは作成するが、それらをもとにした考察を軽視する傾向にある。これは、データに基づいた考察や科学的な議論を行った経験がないことが大きな要因となっている。そのため、データ処理や考察の重要性を認識させる教材の開発が必要不可欠である。 そこでデータ処理を行うことで生じた新たな疑問に対して、仮説を設定し、検証実験を行える教材を開発した。この教材を公開、普及することで、科学的思考の楽しさと重要性を実感する高校生が増えることが期待できる。
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