研究課題/領域番号 |
22H04253
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
3110:農芸化学、生産環境農学、森林圏科学、水圏応用科学、社会経済農学、農業工学、獣医学、畜産学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
宇野 亨 東北大学, 農学研究科, 技術職員
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
460千円 (直接経費: 460千円)
2022年度: 460千円 (直接経費: 460千円)
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キーワード | 有機栽培 / 水稲 / 雑草 / 冬期湛水 / クログワイ / 有機栽培水田 / 雑草抑制 |
研究開始時の研究の概要 |
水稲の有機栽培(無農薬無化学肥料で、有機質肥料を用いる栽培方法)を長く継続している水田では、強害雑草のひとつであるクログワイが繁茂しやすく問題となっています。クログワイの塊茎は、冬期間に乾燥凍結環境にさらすことで枯死することが報告されています。本研究では秋の水田で畝立てをし、冬期間のクログワイ塊茎を枯死させやすくすることで、翌年の栽培における雑草の被害をどれくらい減らすことができるかを明らかにすることを目的として栽培試験を行います。この試験によってクログワイの抑制条件を明らかにし、水稲有機栽培の改善を目指します。
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研究成果の概要 |
生態保全効果の高い冬期湛水有機栽培水田では長期継続した場合に増加する雑草「クログワイ」の抑制が課題となっている。本試験では15年間の長期に渡り冬期湛水有機栽培を継続している東北大学川渡フィールドセンター試験圃場を用いて、乾燥に弱いクログワイが冬期乾田管理に転換することで翌水稲作でどの程度発生抑制できるかを試験的に調査した。その結果クログワイの発生量は減少し収量も増加傾向であったものの、統計的に有意にクログワイの発生量を抑制したとは言えず、抑草効果としては確認できなかった。この貴重な知見を活かし、土壌の乾燥がどの程度進めば明確な抑草効果が得られるのかなど、さらなる研究の足掛かりとしたい。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
農林水産省の掲げるみどりの食料システム戦略に挙げられるように我が国における有機栽培推進は急務であり、主食であるコメの有機栽培面積拡大は避けられない課題である。その中でも有機栽培水田を長期継続した際に強害雑草として優占化しやすいクログワイの抑制は大きな問題であり、本試験において15年の長期に渡り有機栽培水田として厳密に管理されてきた東北大学川渡フィールドセンター試験圃場を用いた抑草試験結果は、貴重な知見であり学術的意義を有すると考える。本試験の「冬期湛水田の乾田化によるクログワイ抑制の試み」は明確な効果は得られなかったが、そのことも知見として、今後の雑草抑制技術開発に生かすことができると考える。
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