研究課題/領域番号 |
22H04265
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
3110:農芸化学、生産環境農学、森林圏科学、水圏応用科学、社会経済農学、農業工学、獣医学、畜産学およびその関連分野
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研究機関 | 兵庫医科大学 |
研究代表者 |
園田 絵観子 兵庫医科大学, 医学部, 実験補助
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
480千円 (直接経費: 480千円)
2022年度: 480千円 (直接経費: 480千円)
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キーワード | がん自殺遺伝子ウイルス療法 / がんウイルス療法 / RRV / イヌ / 遺伝子治療 |
研究開始時の研究の概要 |
癌細胞特異的に感染および増殖する増殖型レトロウイルスベクター (RRV:Retroviral Replicating Vector) を用いた癌自殺遺伝子療法のイヌ悪性腫瘍に対する治療効果を評価する。まずイヌ癌細胞をヌードマウスに皮下接種しイヌ腫瘍担癌マウスモデルを作製する。これを用いてルシフェラーゼ発現RRVによりin vivoイメージングにてRRVの感染伝播効率を検討する。また担癌モデルマウスに自殺遺伝子シトシン脱アミノ化酵素発現RRVを腫瘍内投与、および薬物前駆体5-フルオロシトシンを投与し、腫瘍の退縮を評価する。
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研究成果の概要 |
腫瘍細胞特異的に感染・増殖する増殖型レトロウイルスベクター (RRV) を用いた癌自殺遺伝子療法のイヌ悪性腫瘍に対する治療効果を担癌モデルマウスを用いて評価した。ルシフェラーゼ発現RRVを腫瘍内投与した後in vivoイメージングにより経時的に画像解析を行なったところ、用いたイヌ腫瘍細胞株3種ではいずれもRRV自体の増殖による効率的な感染伝播を認めた。また線維肉腫を接種したマウスに自殺遺伝子シトシン脱アミノ化酵素を発現するRRVを腫瘍内投与し、薬物前駆体5-フルオロシトシンを投与したところ、対照群と比較してRRV群では有意な腫瘍増大抑制効果が認められた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
欧米で実施された第Ⅲ相臨床試験は、悪性神経膠腫を対象として自殺遺伝子シトシン脱アミノ化酵素搭載RRVを用いており、ヒトに対して二度以上の再発患者の生存を有意に改善したという良好な結果が得られた。本研究成果は担癌モデルマウスを使用するものであるため、RRVを用いたがん自殺遺伝子療法が、ヒトのみならず、近年がん発生率が増加しているイヌのがん治療においても有用であり、獣医学分野でも応用可能であることを示すことができる。またこの成果をもとにイヌの治療症例データが蓄積されれば、ヒトへの臨床応用に還元できるため、獣医学・医学の両分野にとって意義のある研究である。
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