研究課題/領域番号 |
22H04286
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
3180:医療薬学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
白石 ちひろ 三重大学, 医学部附属病院, 薬剤師
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
310千円 (直接経費: 310千円)
2022年度: 310千円 (直接経費: 310千円)
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キーワード | オラパリブ / 抗がん剤 / 貧血 |
研究開始時の研究の概要 |
オラパリブは、PARP 阻害作用を有し、卵巣がん等に適応を有する。オラパリブによる有害事象共通語規準 Grade3 以上の貧血発現率は、国際共同第Ⅲ相試験においても約 20%と副作用の中で最も高く、用量規定因子でもある。本研究はオラパリブ誘発性の貧血モデルマウスを作製し、葉酸の関与、オラパリブの血中濃度と葉酸との相関を確認する。本研究成果は、PARP 阻害薬投与時に最も問題となる貧血への対応、治療継続性の確保に向けた有益な情報になると考えられる。
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研究成果の概要 |
費用の関係で、ラットからマウスに代用して研究を行った。モデルマウスの作成として、C57BL及びSlc:ICRマウス、溶媒は10%DMSO+18%HPβシクロデキストリン及びオリーブ油を用いた。経口、腹腔、及び静脈内投与による投与後の血中濃度について、HPLCを用いて測定を行った。投与期間は1週間、2週間、4週間で検討を行った。オラパリブ投与群は、Vehicle群と比較してHb値の低下を認めなかった。現在は、実臨床に合わせ、カルボプラチン投与後にインターバルを設け、オラパリブの投与を行い貧血発現の有無について検討を行っている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
先行研究として、2018年1月から2020年12月までに初めてオラパリブが投与された患者を対象に症例対照研究(附属病院倫理委員会H2021-184)を行った結果、対象患者40名のうち、18名がグレード3以上の貧血を発症した(発症日数中央値 66日)。そのうち、9名はRDW-SD値が高い大球性貧血(100<MCV:65fL vs MCV≦100:51fL, p=0.012)であった。 基礎研究によりオラパリブによる貧血の要因を明らかとし、支持療法の確立に繋げることは、PARP阻害薬に対する支持療法の基盤となる有益な情報が得られると考えられる。
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