研究課題
奨励研究
癌薬物療法のキードラッグとなった免疫チェックポイント阻害剤の治療抵抗性の改善は、世界的に解決すべき喫緊の課題の一つである。遺伝子発現データベースを用いた多層的データマイニングにより探索した治療抵抗性を克服する既存承認薬の組み合わせの妥当性を基礎薬理学的研究によって立証する。
免疫チェックポイント阻害剤 (ICI) を用いた治療では、長期奏功を得られる癌患者が著しく増加した一方で、早期にICI治療抵抗性となる症例が多いことが問題となっている。ICI治療抵抗性の主な原因は、治療抵抗性遺伝子が同時多発的に発現している点にある。本研究では、遺伝子発現データベースを用いた多層的データマイニングによりICI治療抵抗性を克服する既存承認薬の組み合わせを探索した。遺伝子発現データベースを活用して複数のICI治療抵抗性関連遺伝子を抽出した。さらに、創薬ツールを用いて解析した結果、既存承認薬の2剤を併用した時に、ICI治療抵抗性関連遺伝子の発現が抑制されることを明らかにした。
本研究は、複数のデータベースを組み合わせたビッグデータ解析を活用した新たな切り口からICI治療耐性化に対する治療薬の開発という社会的要請の大きい課題に挑む、国内外で類を見ない独創的な研究である。疾患の多様性・複雑性を内包した医療ビッグデータを活用することで、ヒトにおける有効性や安全性が予測できるため、新規治療戦略を迅速に臨床応用に繋げることが可能になる。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件)
European Journal of Pharmacology
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Basic & Clinical Pharmacology & Toxicology
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