研究課題/領域番号 |
22H04300
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
3180:医療薬学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山口 諒 東京大学, 医学部附属病院, 薬剤師
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
450千円 (直接経費: 450千円)
2022年度: 450千円 (直接経費: 450千円)
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キーワード | Enterococcus faecium菌血症 / テイコプラニン / バンコマイシン / 非劣性試験 / 傾向スコア / 急性腎障害 / GSEF菌血症 / 後ろ向き非劣性コホート研究 |
研究開始時の研究の概要 |
Enterococcus faecium(E.faecium)菌血症に関連した死亡率は20-40%程度と高いことが知られており、適切な抗菌薬治療が重要となる。 本研究は、グリコペプチド感受性Enterococcus faecium(GSEF)菌血症に対するテイコプラニン(TEIC)の有効性と安全性をバンコマイシン(VCM)と比較することを目的とした研究である。TEICはVCMより有意に急性腎障害の発現率が低いことが確認されていることから本研究で得られる知見は、GSEF菌血症の治療において、腎障害リスクを考慮した抗菌薬選択を可能とする根拠を与えるものであり、臨床的意義は大きい。
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研究成果の概要 |
本研究は、グリコペプチド感受性Enterococcus faecium(GSEF)菌血症の治療における、テイコプラニン(TEIC)の有効性と安全性をバンコマイシン(VCM)と比較して評価することを目的とした。TEICはVCMと比較して有効性において非劣性、急性腎障害(AKI)の発生割合において優性であるという仮説の下、傾向スコアを用いた後ろ向き非劣性コホート研究を実施した。その結果、TEICはVCMと比較して非劣性であり、AKIの発生割合が有意に低いことが明らかになった。これらの知見から、TEICはGSEF菌血症の治療において、安全性と有用性を兼ね備えた代替薬としての可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Enterococcus faecium菌血症の死亡率は20-40%であり、適切な抗菌薬の選択が重要である。これまでGSEF菌血症の治療にはVCMが使用されてきたものの、AKIの発生割合が高いという課題があったため、その代替薬が求められていた。本研究において、TEICがVCMと比較し、非劣性であるとともにAKIの発生割合も低いことが確認された。本研究は、GSEF菌血症におけるテイコプラニンの有効性と安全性を十分な検出力で明らかにした初めての研究である。この結果は抗菌薬の適正使用に対して大いに寄与すると考えられ、学術的及び社会的に重要な意義を持つ。
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