研究課題/領域番号 |
22H04341
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
3180:医療薬学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
山川 裕介 徳島大学, 病院, 薬剤師
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
470千円 (直接経費: 470千円)
2022年度: 470千円 (直接経費: 470千円)
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キーワード | 慢性骨髄背白血病 / アルコール摂取 / Bcr-Abl阻害剤 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の意義は、アルコール摂取が慢性骨髄性白血病(CML)治療薬の治療効果に与える影響を解明することで、CML薬物治療に貢献することである。 飲酒がCMLの治療効果に与える影響について、CML患者において飲酒歴が実際に患者で治療効果に影響を及ぼしているか検証する。日本医療データバンクの診療報酬情報データベースを使用することで、全国の症例データを用いて検証を行う。また、飲酒はCML生存に寄与するかCML細胞を用いて検討を行う。アルコール長期曝露および遺伝子導入(またはノックダウン)により作成したモデル細胞に対して、CML治療薬の薬剤感受性を検討する。
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研究成果の概要 |
日本の被保険者のデータベースに登録された、慢性骨髄性白血病(CML)患者のBcr-Abl阻害剤による治療に対する毎日のアルコール摂取習慣の影響を評価した。Bcr-Abl阻害剤治療期間は飲酒習慣がまれな患者に比べ、毎日の飲酒習慣のある患者で有意に長いという結果が得られた。また、治療期間は異常な肝機能を有する患者よりも正常な肝機能を有する患者において有意に長かった。以上により、毎日のアルコール摂取は、CML患者の治療の維持に貢献することが示唆された。また、肝機能は治療期間と関連しており、肝機能を保護することで継続的な治療が可能になる可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がん患者におけるアルコール摂取の化学療法の治療効果への影響は未だ明らかでなく、患者の飲酒習慣の指導に利用できる根拠は乏しい。本研究により肝機能を損なわない程度の毎日の飲酒習慣は慢性骨髄性白血病(CML)の治療継続に良い影響を及ぼす可能性が示された。このことは、CML患者において厳格な禁酒指導よりも節度を保った飲酒を認容した生活指導を行い、患者のQOLを維持する重要性を示唆している。一方で、治療の中断が副作用によるものか、治療効果の低下によるものかを判断するには、更なる検討が必要である。
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