研究課題/領域番号 |
22H04344
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
3180:医療薬学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
佐々木 惠一 九州大学, 大学病院, 薬剤師
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
480千円 (直接経費: 480千円)
2022年度: 480千円 (直接経費: 480千円)
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キーワード | メトトレキサート / ポリグルタメート / 葉酸 |
研究開始時の研究の概要 |
メトトレキサート(MTX)服用中の関節リウマチ患者で、MTXの副作用である肝機能障害を発症した患者を対象として、MTXの副作用改善目的として治療ガイドラインで推奨される葉酸の用量用法を週1回5mgから連日1.25mgへ変更した結果、治療効果に影響を与えることなく肝機能障害を有意に改善したが、その詳細な機序は不明である。本研究では、赤血球中のMTXポリグルタメート濃度と葉酸代謝経路内の関連物質(DHF、THF、5-MTHF、5,10-CH2THF)濃度を測定し、これらの濃度変化を検討することで、MTXによる肝機能障害の発現機序解明と副作用対策に向けた基盤情報を得ることを目的とする。
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研究成果の概要 |
これまでにRA患者8名をエントリーした。研究開始時点の患者背景は年齢は62±15歳、MTX服用量は10±1.4mg。MTXの服用期間は、8名中7名で1年以上服用していた。RAの疾患活動性は、DAS-28CRPが2.68、DAS-28ESRが3.86で中程度であった。肝機能値はASTが22.5±6.4U/L、ALTが23.3±11.6U/Lであった。赤血球中のMTX-PGs濃度測定は、現在までにMTX-PG1~7の各標準品をスパイクした赤血球を用いて検量線まで作成し、濃度を同時測定できる体制を構築した。現在分析系のバリデーション試験を行っており、精度が担保でき次第、濃度測定を開始する予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
RA治療におけるMTXは、アンカードラッグとして位置づけられており重要な薬剤である。しかしMTX投与患者の30~90%に副作用が発現し、そのうち30~40%でMTXの投与が中断される。このためMTXの副作用予防・軽減し治療効果を向上させることはRA患者のQOL向上に重要である。本研究ではRA患者の赤血球中MTX-PGs濃度に着目し、LC-MS/MSを用いてMTX-PGs濃度と葉酸服用方法との関連性を評価している。MTXの副作用予防・軽減を目的とした葉酸の至適服用量及び服用方法を明らかにすることは、新たなRA治療方法の選択肢となり、RA患者のQOL向上につながる重要な研究であると考える。
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