研究課題/領域番号 |
22H04368
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
3190:生体の構造と機能、病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
青木 友那 千葉大学, 真菌医学研究センター, 大学職員
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
480千円 (直接経費: 480千円)
2022年度: 480千円 (直接経費: 480千円)
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キーワード | 新型コロナウイルス / A型インフルエンザウイルス / ウイルス感染 / 自然免疫 / A型インフルエンザ |
研究開始時の研究の概要 |
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染症は世界で感染拡大し続けている。その背後で、感染対策徹底の副産物として、飛沫等を介する他の感染症の発生頻度は大きく減少した。しかし、当該感染症収束後に想定される「SARS-CoV-2と他のウイルスが共存する環境」を見据えると、呼吸器に感染するウイルスの二重感染に関する知見の構築は急務である。 そこで本研究では、SARS-CoV-2のウイルスタンパク質に着目し、SARS-CoV-2とインフルエンザウイルスの二重感染におけるウイルス干渉の分子機構を解明することを目的とし、これらのウイルス感染症に対する新たな治療戦略の提案に繋がる基礎知見の獲得を目指す。
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研究成果の概要 |
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)RNAからNucleocapsid protein(N)をクローニング、N強制発現細胞を作製し、この細胞にA型インフルエンザウイルス(IAV)を感染させた。その結果、N強制発現細胞ではウイルス感染に伴うI型インターフェロン(IFN)応答及びストレス顆粒様の凝集体(avSG)形成の抑制が生じることが明らかとなった。更に、Nは宿主細胞内のプロテインキナーゼR(PKR)と直接的に会合し、PKRの活性化を抑制することによってIFN応答やavSG形成を抑制していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
自然界にはSARS-CoV-2の他に多くのウイルスが存在しており、SARS-CoV-2とこれらのウイルスが共存する環境を見据えると、呼吸器に感染するウイルスの二重感染に関する知見が求められる。そこで本研究ではSARS-CoV-2 のNに着目し、SARS-CoV-2と同じく呼吸器に感染するウイルスであるIAVをN強制発現細胞へ感染させた。その結果、Nは宿主細胞内のPKRに直接的に結合することにより、感染初期のIFN産生及びavSG形成を抑制していることが示唆された。SARS-CoV-2感染は感染初期に自然免疫抑制機構が働くことが知られており、本研究の成果はその抑制機構解明の一助となる。
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