研究課題/領域番号 |
22H04380
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研究種目 |
奨励研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
3210:内科学一般、器官システム内科学、生体情報内科学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
松本 拓也 北海道大学, 大学病院, 診療放射線技師
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
480千円 (直接経費: 480千円)
2022年度: 480千円 (直接経費: 480千円)
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キーワード | 陽子線治療 / 患者QA / モンテカルロ計算 / 簡易モンテカルロ法 / 放射線治療 / 簡易モンテカルロ |
研究開始時の研究の概要 |
陽子線がん治療では、陽子線の照射位置や照射量を定めた治療計画を作成し、治療の質や安全性を検証するための患者QA(Quality Assurance)を実施する。従来の患者QAは、大掛かりな測定装置に治療ビームを照射して得られる測定値と作成した治療計画の値に乖離がないか確認する。この方法はマンパワーを必要とし、作業のために治療患者数を制限が必要という課題がある。 課題解決のため本研究では、測定に基づく現在の患者QAから計算に基づく患者QAへの代替可能性を検討した。計算に基づく患者QAが現在の患者QAと同等の精度をもつか評価し、効率的かつ効果的な患者QA方法として臨床現場に適用可能か明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、高速かつ高精度な線量計算法である簡易モンテカルロ(SMC)法を用いて、測定に基づく従来の患者QAを代替する手法を開発した。本手法を臨床で適用するため、SMC法の計算アルゴリズムのパラメータ調整や過去に治療された患者のデータを用いた遡及的な解析を行った。 その結果、本手法は治療装置から照射される陽子線の挙動を正確にシミュレーションできていることが確認され、患者QA手法として有用であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
患者QAは陽子線治療を含めた放射線治療を安全かつ適切に施行するために必須の作業であるが、従来の方法では作業時間の長さや作業のために治療装置を占有しなければならない等の課題があった。本研究で開発した計算に基づく患者QAはコンピュータ1台のみで作業が可能であり、また計算も高速であることから非常に効率よく患者QAを行うことができる。これは、QAの治療装置占有時間の減少に伴う1日に治療可能な患者数の増加や、治療準備期間の短縮によって緊急性の高い症例など、より幅広い患者の治療適応が期待できる。よって本成果は、高品質ながん治療をより多くの患者へ提供することに繋がり、社会福祉に大きく貢献するものと考える。
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