研究課題/領域番号 |
22H04912
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研究種目 |
特別推進研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
瀧田 正人 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (20202161)
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研究分担者 |
大西 宗博 東京大学, 宇宙線研究所, 助教 (10260514)
大嶋 晃敏 中部大学, 理工学部, 教授 (10546336)
片寄 祐作 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 准教授 (90323930)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
619,190千円 (直接経費: 476,300千円、間接経費: 142,890千円)
2024年度: 208,520千円 (直接経費: 160,400千円、間接経費: 48,120千円)
2023年度: 287,690千円 (直接経費: 221,300千円、間接経費: 66,390千円)
2022年度: 35,490千円 (直接経費: 27,300千円、間接経費: 8,190千円)
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キーワード | PeVatron / 最高エネルギーガンマ線 / 宇宙線 / 空気シャワー / ミューオン / ガンマ線 / sub-PeV / 水チェレンコフ / プラスチックシンチレーション検出器 |
研究開始時の研究の概要 |
ボリビアのアンデス高原に大型空気シャワー観測装置と大型地下ミューオン観測装置から構成されるに宇宙線・ガンマ線観測装置を設置し、南天において世界で初めて、最高エネルギー(sub-PeVからPeV)ガンマ線天文学を開拓する。南天には銀河系中心、超新星残骸、PWN、銀河系内拡散ガンマ線等、多数の最高エネルギーガンマ線放射天体の存在が予想され、それらの中から、宇宙線発見以来約100年の謎である、宇宙線をPeVエネルギー領域まで加速している宇宙粒子加速器PeVatronを発見し、その正体の解明を目指す。また、5TeV-100PeV の宇宙線観測を通して、多様な宇宙線物理学に関する研究を行う。
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研究実績の概要 |
ボリビアのアンデス高原に大型空気シャワー観測装置と大型地下ミューオン観測装置から構成されるに宇宙線・ガンマ線観測装置を設置し、南天において世界で初めて、最高エネルギー(sub-PeVからPeV)ガンマ線天文学を開拓する。地表空気シャワー観測装置で宇宙線・ガンマ線のエネルギーと方向を計測し、地下ミューオン観測装置で検出されるミューオン数により、ガンマ線と宇宙線の弁別を行う。南天には銀河系中心、超新星残骸、PWN、銀河系内拡散ガンマ線等、多数の最高エネルギーガンマ線放射天体の存在が予想され、それらの中から、宇宙線発見以来約100年の謎である、宇宙線をPeVエネルギー領域まで加速している宇宙粒子加速器PeVatronを発見し、その正体の解明を目指す。また、5TeV-100PeV の宇宙線観測を通して、宇宙線異方性、宇宙線中の太陽の影、PeV エネルギー領域宇宙線の化学組成の研究等を行う。 本年度は、地下大型水チェレンコフ型ミューオン検出器の水槽の設計と、データ収集回路の製作及びソフトウェアの開発を行った。ミューオン検出器水槽の大きさ・形状、光電子増倍管の本数・位置等についてはモンテカルロシミュレーションを行い、最適化はすでに終わっている。また、ミューオン検出器用水槽の設計作業を進めた。日本の建築設計事務所と協力して、ミューオン検出器用水槽の設計概念を構築し、ボリビアの建築設計事務所とミューオン検出器用水槽のデザインを進めた。さらに、データ取集回路、高電圧電源システム、時間デジタル変換モジュールの試験・較正を行った。また、地表空気シャワー観測装置の一部を設置し、部分観測を開始した。ボリビア現地調査や検出器設置作業を行うとともに、国内外の会議で本研究及び関連する研究の成果発表をした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
来年度の設置を目指して、地下大型水チェレンコフ型ミューオン検出器の水槽の設計と、データ収集回路の製作及びソフトウェアの開発を行った。 ミューオン検出器水槽の大きさ・形状、光電子増倍管の本数・位置等についてはモンテカルロシミュレーションを行い、最適化はすでに終わっている。最適化した配置を基に、日本の建築設計事務所と協力してミューオン検出器用水槽の設計概念を構築し、ボリビアの建築設計事務所とミューオン検出器用水槽のデザインを進めた。 さらに、データ取集回路、高電圧電源システム、時間デジタル変換モジュールの試験・較正および関連するソフトウェアの開発を行った。また、地表空気シャワー観測装置の一部を設置し、部分観測を開始した。まだ稼働部分の全体校正作業が必要であるが、空気シャワー観測装置の諸性能はほぼ予想通りである。 新型コロナウィルスが沈静化したので、ボリビア現地調査や検出器設置作業を行うとともに、国内外の会議で本研究及び関連する研究の成果発表をすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
地下大型ミューオン検出器用水槽の最終設計作業を進め、設置作業を開始する。そしてミューオン検出器の設置を完了する。 また、空気シャワー観測装置を構成するプラスチックシンチレーション検出器の部品を調達し、組立・設置する。 さらに、それらの電荷時間変換モジュールの開発・試験・購入・較正を進める。また、高電圧電源も含めたデータ収集回路系全体およびデータ収集ソフトウェア全体の統合を行う。 空気シャワー観測装置と地下ミューオン検出器の連動実験を開始して、観測データを蓄積する。測定器の全体を較正して、宇宙ガンマ線や宇宙線に関するデータ解析を進め、適宜研究成果をまとめた論文を出版する。 必要に応じて、ボリビアで現地調査・観測を行うとともに他の関連実験(Tibet ASγ実験、HAWC実験等)の場所に赴いて情報収集を行う。国内外の会議で本研究及び関連する研究の成果発表をするとともに、国内外で研究打ち合わせを行う。
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