研究課題/領域番号 |
22H04925
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研究種目 |
学術変革領域研究(学術研究支援基盤形成)
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
黒川 顕 国立遺伝学研究所, 情報研究系, 教授 (20343246)
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研究分担者 |
川嶋 実苗 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構(機構本部施設等), データサイエンス共同利用基盤施設, 特任准教授 (00396706)
豊田 敦 国立遺伝学研究所, ゲノム・進化研究系, 特任教授 (10267495)
鈴木 穣 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (40323646)
中村 保一 国立遺伝学研究所, 情報研究系, 教授 (60370920)
野口 英樹 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構(機構本部施設等), データサイエンス共同利用基盤施設, 特任教授 (50333349)
森 宙史 国立遺伝学研究所, 情報研究系, 准教授 (40610837)
西村 祐貴 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 助教 (20783012)
Frith Martin 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (40462832)
森下 真一 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (90292854)
浅井 潔 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (30356357)
笠原 雅弘 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (60376605)
中谷 明弘 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 特任教授 (60301149)
波江野 洋 東京理科大学, 研究推進機構生命医科学研究所, 准教授 (70706754)
伊藤 武彦 東京工業大学, 生命理工学院, 教授 (90501106)
山田 拓司 東京工業大学, 生命理工学院, 准教授 (10437262)
高橋 弘喜 千葉大学, 真菌医学研究センター, 准教授 (60548460)
浜田 道昭 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00596538)
瀬々 潤 株式会社ヒューマノーム研究所, 本社, 代表取締役社長 (40361539)
平川 英樹 公益財団法人かずさDNA研究所, ゲノム事業推進部, 主任研究員 (80372746)
島村 徹平 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (00623943)
熊谷 雄太郎 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (00528408)
林 哲也 九州大学, 医学研究院, 教授 (10173014)
岩崎 渉 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 教授 (50545019)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2028-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2024年度)
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配分額 *注記 |
7,732,140千円 (直接経費: 5,947,800千円、間接経費: 1,784,340千円)
2024年度: 1,288,690千円 (直接経費: 991,300千円、間接経費: 297,390千円)
2023年度: 1,288,690千円 (直接経費: 991,300千円、間接経費: 297,390千円)
2022年度: 1,288,690千円 (直接経費: 991,300千円、間接経費: 297,390千円)
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キーワード | ゲノム / メタゲノム / オミックス解析 / シングルセル解析 / バイオインフォマティクス / 次世代シーケンサー / ゲノム・メタゲノム / RNA解析 / エピゲノム / 空間的オミックス解析 / スーパーコンピュータ |
研究開始時の研究の概要 |
先進ゲノム解析研究推進プラットフォーム(略称「先進ゲノム支援」)は、1)先端技術開発と試行部分での支援の重点化、2)シーケンシングから情報解析までを一体化、3)次世代型の解析に対応した情報解析支援の拡充、を基本として、実験・情報解析の両面での大規模かつ最先端の解析システムを整備し、科研費課題等から適切な課題を支援して成果を出すとともに、その過程で解析技術をさらに向上させ、人材を育成することで、我が国のゲノム科学ひいては生命科学のピーク作りとすそ野拡大を進めることである。
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研究実績の概要 |
①総括支援活動では支援課題の公募を実施し生命系のほぼ全分科から合計347件の応募がありそのうち148課題を採択した。今年度の応募数は、同じく年1回公募だった昨年度を24件上回った。一方で採択率は、先進ゲノム支援として初めて50%超を実現した昨年度を下回り、第1期先進ゲノム支援の時と同様の 42.7%に留まった。これは課題あたりの経費が高額となるシングルセル解析や空間的オミックス解析の応募数および採択数が増加したためである。拡大班会議を開催し329名の被支援者および支援班員が一堂に会してゲノムをキーワードに異分野研究交流進めた。情報解析講習会として初級者編(参加者282名)、中級者編(参加者116名)を開催した。 ②大規模配列解析拠点ネットワーク支援活動においては、1)長鎖シーケンシングのためにPacBio Revio、2)空間的オミックス解析のためにXeniumを導入し、それらの試行や条件検討、技術支援者の訓練も進め、支援で提供できるようにした。染色体レベルの高精度ゲノム配列決定(遺伝研)、空間的遺伝子発現解析(東大新領域)、近縁菌株が集積した試料からの高精度MAGの構築(九大)等を進めた。 ③情報解析支援活動においては、スパコン(遺伝研、東大医科研ヒトゲノム解析センター、東大情報基盤センター、東工大TSUBAME、産総研、京大化研、かずさDNA研等)を活用するとともに、利用量や占有の必要性に応じ、各機関や研究室の計算機を使用して支援を進めた。メタゲノム温度計(遺伝研)、LLPSにおけるクライアントタンパク質予測ツールSeq2Phase、難読領域に特化したゲノムアセンブラJTK(東大新領域)、高精度遺伝子アノテーションパイプラインGINGER(東工大)、深層生成モデルによるシングルセル解析と空間解析の統合deepCOLOR(東京医科歯科大)等を進め、33報の論文を発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
・研究支援代表の下、研究支援分担者21名、研究支援協力者11名、総勢33名の班員が全国12の大学・研究機関(部局数は13)から参加して支援体制を構築した。また、国立遺伝学研究所を中核機関とし、参加する班員が所属する主な機関を連携機関とする連携ネットワークを形成して支援活動を展開した。 ・支援課題公募については、透明性を確保するために審査委員会は領域外有識者のみで構成し、領域からの技術的・経費的な情報提供を参考に支援課題を決定した。支援希望内容は各課題で拡大する傾向にあるが、経費上限を設定するなどしてできるだけ多く支援するように努めた。主たる支援技術分類は、新規ゲノム決定 : 15件、変異解析 : 17件、修飾解析 : 32件、RNA解析 :35件、メタゲノム解析等 : 2件、超高感度解析:52件、情報解析のみ : 13件、合計166件であり、多様な技術の提供ができた。 ・支援成果を含む論文が 171 報報告された(2023年4月以降)。さらに第1期先進ゲノム支援および第1期、第2期にまたがる成果も続々と論文発表されている。 ・拡大班会議を開催し、支援依頼者の若手共同研究者の旅費援助をするなどして、支援側と依頼者の交流を深めることができた。 ・一般社団法人ゲノムテクノロジー研究会との共催により、第14回国際ゲノム会議(14AGW)を開催した。テーマは「Complete Human Genome and Beyond」とし、ゲノム医科学分野における最新の研究成果や新技術がもたらす新しい展開など、ゲノム研究の最前線についての議論が交わされた。
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今後の研究の推進方策 |
・国際レベルの最先端技術を提供するために、支援拠点における機器の導入、支援技術の高度化を引き続き進める。昨年度に引き続き東大拠点に最先端の空間解析機器を導入した。最先端機器を使いこなすことができる世界トップレベルの支援班員が、優れた研究支援課題に応用するため支援機器・技術の整備を進め、さらに解析技術を向上させ次の支援に活かす、という好循環を維持する。 ・支援応募数は今後も増える可能性があり、情報解析支援のキャパシティを超える恐れがある。すそ野拡大という観点からも、依頼者自らが一般的な解析をできるよう人材育成することも重要である。導入している、情報解析講習会、OJT、支援技術コンサルテーションの 3 種類の教育システムはいずれも好評を得ている。遺伝研スパコン上の Nextflow を活用し、nf-coreに加え支援班員が構築した解析パイプラインを支援依頼者も比較的容易に実行することが可能な仕組みの導入(併せて利用講習会)を検討している。 ・最先端機器を組み合わせ多様かつ膨大なデータから新たな知識を見出す研究が世界の主流となっており、現在一律で設定している消耗品経費の限度額では満足な成果が得られない状況となりつつある。中途半端な支援は効率が悪く、経費をかけた割には成果が出ないという状態になりかねない。採択率が多少下がっても、高効率の支援ができるよう、限度額を上げるなど検討する。
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