研究課題/領域番号 |
22K00012
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
村上 靖彦 大阪大学, 大学院人間科学研究科, 教授 (30328679)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 差別 / 貧困 / マイノリティ / ナラティブ / 現象学的な質的研究 / 障害 / ヤングケアラー / 逆境 |
研究開始時の研究の概要 |
逆境当事者にインタビューを行っていく計画がまず第1の大きな計画である。 1)大阪市西成区で居住経験があるヤングケアラー経験を中心とした逆境経験についてはパイロットリサーチをはじめており倫理審査も追えているためこのまま引き続き研究を進めていく。 2〕ろう者と家族の手話環境を促進する団体であるNPOこめっこの調査もすでに学内での倫理審査を終え、パイロットのインタビューを取り始めており引き続き調査を進めて2022年度内にデータをある程度取り終えたい。 3〕アイヌの人びとを始めとする差別経験の当事者についてはこれから倫理審査をうけ研究を始め2024年度初めまでに調査を行う。 学会発表論文、著作の発表は随時行う
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研究実績の概要 |
2023年度は、アイヌの出自がある人たちへのインタビュー、高齢者施設等での介護専門職へのインタビュー、刑務所での受刑者との当事者研究、旧同和地区での子ども支援の支援者のインタビューなどを行った。現在逐語録データの分析作業を行っており、一部は2024年4月に入って論文化しはじめている。 日本在宅ケア学会などいくつかの学会での招待講演を行った。内容は、地域での子ども支援、ヤングケアラー、医療ケアについてなどである。またフランス・トゥールーズにおいて行われた医療系の学会で介護士のケアについての公演を行っている。 著作は単著2冊(『客観性の落とし穴』、『傷の哲学レヴィナス』)、共著1冊(『とまる、はずす、消える』、分担執筆の著書3冊(『「助けて」が言えない 子ども編』、『医療とケアの現象学: 当事者の経験に迫る質的研究アプローチ 』、『ケアする対話: この世界を自由にするポリフォニック・ダイアローグ 』) を出版した。 論文は招待で4本執筆しており、「ケアからつくる社会のためのいくつかの困難と条件 」(『日本在宅ケア学会誌』)、「論破のリズム、スキルの時間 」(『中央公論』)、「すぐ、もうしょっちゅう、ずっと――〈現象学的な質的研究〉と経験のリアリティ 」(『現代思想』)、「多元的な宇宙のはざまで 大江健三郎1963&1983 」(『ユリイカ』)といったタイトルである。内容は、ケア職が抱える問題について、あるいは方法論についてであった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
介護士への認知症支援や障害者支援のインタビューのようにあらたに始まった計画もあり、またアイヌの出自のある人の聞き取りについては予想以上に進捗があり出版の目処がたったため
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今後の研究の推進方策 |
刑務所での当事者研究は北海道医療大学のグループと報告書をつくる予定である。介護士のインタビューについては雑誌連載を行う予定である。アイヌの出自のある人の聞き取りについては共著で書籍を出版予定である。旧同和地区での子ども支援については、地域の支援者と共同で報告書を作成予定である。 これに加えて、何冊か書籍の計画がある。ヤングケアラー、ケアを中心とした社会、共感、といったテーマで今年度は執筆を行う予定である。出版年度は次年度以降となる見込み。
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