研究課題/領域番号 |
22K00031
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01010:哲学および倫理学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高嶋 佳代 京都大学, iPS細胞研究所, 特定研究員 (60620987)
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研究分担者 |
三成 寿作 京都大学, iPS細胞研究所, 特定准教授 (60635332)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 再生医療 / 臨床試験デザイン / 被験者保護 / 科学的妥当性 / 倫理的配慮 / 患者市民参画 / 倫理的課題 / 研究対象者の権利保護 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の中心的な問いは「ヒト試料を用いた侵襲性の高い手技を要する再生医療の臨床試験において、科学的価値と人権保護の均衡は研究デザインにおいてどのように図られるべきか」である。この問いに対して(1)再生医療の臨床研究デザインに含意される、将来の医療への潜在的価値と研究対象者保護に関する課題を分析し、(2)再生医療の臨床研究デザインの立案において専門家の判断に影響を与える価値観の抽出と検討を行い、(3)価値の均衡に関する検討モデルとして患者市民参画の実践を試みる。
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研究実績の概要 |
2年目は、再生医療分野の臨床試験デザインと、その試験デザインに伴う被験者保護の問題という観点から、特に試験に関するリスクとベネフィットの議論に着目して文献調査、情報収集を行った。初年度に検討を行った再生医療における臨床試験デザインにおいて二重盲検試験として偽手術(プラセボ手術)を実施することに関する倫理的課題に加えて、2年目は再生医療臨床試験の中でも、特に安全性試験の段階における有効性の考え方について、論点を整理した。 また、日本臨床試験学会第15回学術集会総会にて「患者市民参画 (PPI) を患者の視点から考える」のセッションをオーガナイズし、患者会の代表や当該分野の専門家から、主に臨床試験に関わる患者市民参画のあり方について議論を行った。この取り組みにより、次年度からの臨床試験のデザインを考える患者市民参画の実践に向けて有意義な知見を得ることができた。また、再生医療臨床試験のデザインの実施に対するソーシャルメディアによる影響について検討し、論文として発表した(Takashima et al,.2023)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
再生医療分野の臨床試験デザインと、その試験デザインに伴う被験者保護の問題に関する論点整理は順調に進んでいるが、統計的理解が十分に深まっていない。 しかしながら、Step3として挙げている、臨床試験のデザインに関する患者市民参画に向けての準備となる議論を前倒しで行うことができたため、全体的な進捗としてはほぼ順調であると考える。
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今後の研究の推進方策 |
文献調査やヒアリングを継続するとともに、次年度と最終年度に向けては、臨床試験デザインの検討モデルとして、患者市民参画の取り組みを実践する。具体的には、2年目に行った臨床試験学会での患者市民参画のセッションによる知見を参考にしながら、次年度に患者市民参画の取り組みに関して豊富な経験を持つ英国でのヒアリングを通じて、最終年度の実践についてより具体的な計画を立案する。
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