研究課題/領域番号 |
22K00074
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01030:宗教学関連
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
塩崎 悠輝 静岡県立大学, 国際関係学部, 准教授 (00609521)
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研究分担者 |
石田 友梨 岡山大学, 社会文化科学学域, 特任准教授 (60734316)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | イスラーム / ネットワーク / デジタル人文学 / ウラマー / 東南アジア / 中東 / 南アジア / イスラーム法学 / イジャーザ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、中東、南アジア、東南アジアといった地域を越えた師弟関係を通したイスラームの知の継承の過程で、どのようにして知の発展が起きていったのかを明らかにする。デジタル人文学の方法を用いて師弟関係のネットワークを可視化し、分析する。
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研究実績の概要 |
2022年度は、マレーシアやインドネシアの研究者との共同研究を通して、イスラーム研究をデジタル化技術と結びつけていく新たな研究方法の進展について発表し、同時に意見交換を行った。この過程で、デジタル人文学的イスラーム研究を構築していくうえで、国際共同研究が重要であることが鮮明になった。 石田、塩崎は、マレーシア国際イスラーム大学と共同でデジタル化技術の人文学の教育、研究への導入に関するワークショップを開催し(Joint Workshop: “Digital technologies for Islamic education and humanities research”)、今後共同研究を進めていくための体制を整えた。 また、塩崎はシンガポール国立大学アジア研究所のワークショップで口頭発表を行うとともに、インドネシアのナフダトゥル・ウラマー大学の研究者、Ginanjar Sya'banと2回のワークショップを行い、東南アジアと中東で横断的に活躍してきた19世紀から20世紀初期にかけてのウラマーと彼らの遺したテキスト資料によるネットワーク研究の可能性について検討した。 石田は「Transkribusを用いたTEIの人名タグ付きテキストの機械学習による自動人名抽出:ジャアファル・ブン・イドリース・カッターニー『目録』を例に」(『人文学のためのテキストデータ構築入門: TEIガイドラインに準拠した取り組みにむけて』所収)など、デジタル化技術のイスラーム研究への導入に関する方法論的な著作を刊行した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
イスラーム学者(ウラマー)のネットワークに関する研究も、イスラーム諸学のテキスト間の相互関係に関する研究も、いずれも文献資料の収集、その資料をデジタル・テキスト・データ化する作業、そしてソフトウェアによる分析にかけてネットワーク分析やテクスト分析(データ・マイニング)を行う作業、いずれにおいても大学院生などを含む多くの研究者の参加を必要としており、国際的な共同研究が必要とされる。 2022年度は、国内(特に学術変革領域研究(A)「イスラーム的コネクティビティにみる信頼構築:世界の分断をのりこえる戦略知の創造」(イスラーム信頼学))および東南アジアの研究者らとの連携を進め、共同研究や意見交換を通して、今後、イスラーム研究にデジタル化技術を導入し、ウラマーのネットワーク研究やテキスト研究を進めていくための方法論的、予備研究的な研究を中心に行った。 2022年度の研究は、次年度以降の研究を進めていくうえで有用であり、理論面においても、データの分析においても、まだ端緒といえる部分が多いとはいえ、今後研究成果を増幅させていくための準備を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、国内と東南アジアのみならず、ヨーロッパや南アジアの研究者らとも共同研究を進めていく必要がある。本研究は、歴史的に地域を越えて移動し、影響を与えてきたウラマーとイスラーム文献をデジタル化技術によって量的に分析することを目的としており、国際的な共同研究を必要とする。 研究方法論の確立の他、史資料の収集、古文書を含むテキストのデジタル・データ化、ソフトウェアによる分析の入力といった作業の諸段階を進めていくためにも、諸外国の大学院生を含めた研究者らとの協同が必要であり、国際共同研究体制の構築を進めていく。 そのうえで、データ分析を通して研究成果をまとめ、国内国外でウラマーのネットワークに関する研究成果を発表していく。
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