研究課題/領域番号 |
22K00088
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01030:宗教学関連
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
嵩 満也 龍谷大学, 国際学部, 教授 (40280028)
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研究分担者 |
菊川 一道 龍谷大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (10828205)
中西 直樹 龍谷大学, 文学部, 教授 (20412687)
内手 弘太 龍谷大学, 文学部, 講師 (20876172)
杉本 良男 国立民族学博物館, その他部局等, 名誉教授 (60148294)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | トランスナショナルな日本仏教の諸相と動向 / 日本仏教の国際的な発信 / 日本仏教の国際ネットワーク / The Bijou of Asia / The Hansei Zasshi / 反省会雑誌 / 海外仏教事情 / 近代仏教 / 双方向的な交流の諸相 / Journalof the Mahabodhi / 近代日本仏教 / トランスナショナル / 近代仏教の双方向的交流 / 『海外仏教事情』 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、The Buddhist Ray(アメリカ:1888-1894)、The Journal of the Mahabodhi Society(インド:1892-1933)や『海外仏教事情』(1888-1893)など、明治前期に欧米、南アジア、日本で出版・流布された仏教雑誌記事の言説内容を読解し、「日本仏教の国際的な発信」、「西洋世界とアジアにおける反応」、「国際ネットワークを媒介として生まれた日本仏教の新たな展開」という3つの視点からトランスナショナルな日本仏教の諸相と動向の分析を行い、「近代化=西洋化」の図式で論じられることが多い日本仏教近代化論の見直しと再構築を試みる。
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研究実績の概要 |
23年度は英文雑誌分析班・日本語雑誌分析班とも、蒐集した1880年代の国内外の雑誌資料の読解・分析を行った。英文雑誌分析班では、英文仏教雑誌The Bijou of Asiaに出る人名の抽出と、海外でほぼ同時代に出版された仏教雑誌The Buddhist Ray、The Journal of the Mahabodhi Society、さらには1890年代に日本で出版されたThe Hansei Zasshiについても同様の作業を行い、日本語雑誌『反省会雑誌』『海外仏教事情』などの記事内容と対照し、その言説内容を「日本仏教の国際的な発信」、「西洋世界とアジアにおける反応」、「国際ネットワークを媒介として生まれた日本仏教の新たな展開」という3つの視点から分析した。また日本語雑誌分析班では、『反省会雑誌』『海外仏教事情』という二つの日本語仏教雑誌に焦点をあてて研究を進めていたが、併せてそれ以外の同時代の仏教雑誌である『教海一瀾』、『龍谷週報』、『教海新潮』、『奇日新報』、『三寶叢誌』、『伝道新誌』についても、新たに原本の蒐集をすすめ検討の俎上にあげた。そのことにより、より網羅的に国内外の雑誌について検討するための研究土台が構築された。 このことは明治初期の日本仏教のトランスナショナルな活動の諸相とトランスナショナルなネットワークの展開を理解究する上で重要な基礎資料を提供するものであり、同分野の今後の研究の進展に大きな意義をもつ研究成果であるという点で、大きな意義をもつ。最終年度の研究展開では、海外の研究者との共同作業を通じて、さらに双方向的な分析を進めることになっているが、そのために必要な作業について23年度中に達成できた。また、一般者への成果還元として、2つの班が蒐集した資料の内容を分かりやすく編集し紹介する公開パネル展示を開催し、展示解説の小冊子を作成して配布した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
英語雑誌分析班では、前年度からすすめてきたThe Bijou of Asia日本語翻訳と記事の中の人名の抽出と、その人物について確認できる限りの追跡調査を行った。また、同時代の海外の英文雑誌であるThe Buddhist RayとThe Journal of the Mahabodhi Societyの記事内容との関連や、その中に出る人物について調査・分析をした。さらに日本語雑誌分析班と協力して、同時代の日本語仏教雑誌である『反省会雑誌』『海外仏教事情』についても、同様の読解・分析を終えることができた。 日本語雑誌分析班では、先に触れたように、その作業過程の中で、分析対象とする雑誌を『教海一瀾』、『奇日新報』、『三寶叢誌』、『伝道新誌』等にひろげて読解・分析を実施した。ただ23年度については、これらの雑誌の原本の蒐集と総目録の作成について終えたが、英文雑誌との対照・分析作業等については、次年度に継続して進める。また英語雑誌分析班が中心となり、1890年代の海外発信の動向を追うために、The Hansei Zasshiの蒐集と読解・分析をすすめた。これまで分散していた原本をすべて蒐集し、解題・総目次等を作成し、24年度に三人社から資料集として出版することが決まった。さらに、一般者への社会還元として、2つの班が蒐集した資料をわかりやすく紹介したパネル展示を行った。また、展示解説のための小冊子を作成し配布した。 国際研究会については、ストラスブール大学の南アジアメディアの研究者のDi Constanzo Thierry氏を招きThe Journal of the Mahabodhi Societyの仏教関連の記事とその南アジア文学への影響につ発表をしてもらい議論することができた。各共同研究者は研究業績一覧にあるように、活発にこれらの研究成果を踏まえた、研究論文・学会発表等を公にした。
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今後の研究の推進方策 |
24年度は、英語雑誌分析班と日本語雑誌分析班が、これまでの研究成果をお互いに共有しつつ、合同で「明治期におけるトランスナショナルな日本仏教の様相とその動向」という今回の研究課題に迫るとともに、研究成果を積極的に学会や公開研究会の場で発信し、フィードバックを得ながら研究の精緻化を図り、24年度中に一定の結論をまとめることが目標となる。 そのために、定期的な公開研究会だけでなく、国内学会や国際学会での研究発表に加え、終盤には本科研主催の公開最終研究会を開催する。さらに、研究成果を積極的に研究論文として公表、あるいは一部について資料図書として出版社から出版する。既に述べたように、英文雑誌The Hansei Zasshiについては、24年度中に復刻資料集として解題等をつけて出版社(三人社)から出版する。さらに他の成果についても、デジタル化し龍谷大学世界仏教文化研究センターのホームページにアップすることも計画している。加えて、24年度も一般者向きのパネル展示を実施し、成果の一般社会への還元を行う。 また、今回の研究の対象になっていない海外の英文雑誌や新聞・メディア等の中の情報・資料を確認・発掘するために、アメリカ・インド・スリランカへの研究出張を実施する。
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