研究課題/領域番号 |
22K00098
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01040:思想史関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
西 信康 三重大学, 人文学部, 特任准教授(教育担当) (30571062)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 道法思想 / 黄老思想 / 虚静説 / 道家思想 / 竹簡帛書 / 儒家思想 / 人性論 / 出土資料 |
研究開始時の研究の概要 |
竹簡帛書を主とする出土資料を対象に、道家思想の生成論に関する研究を進める。主な対象となる出土資料は上海博楚簡、郭店楚簡、馬王堆漢墓帛書等であり、これら資料に確認される道家系文献である。新出土資料の発見は今後も続くと予想されるので、最新情報の把握にも努める。これと平行して、儒家思想の人性論について、伝世文献に関する解釈史上の諸問題を整理し、上記の生成論に関して得られた知見を活用してこれを解決する。
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研究実績の概要 |
本年度は上海博物簡蔵戦国楚竹書『恒先』に関する研究を進めた。当資料は中国大陸を中心に先行研究が豊富であるため、現在の研究情況を調査し、目下の到達点および問題点を明らかにするために、関連する論文および著作を収集し分析を加えた。その結果、当資料は研究の初期においては、前半部の記載が宇宙生成論として注目され、様々な関心からその内容が論じられてきたが、近年の研究動向としては、後半部の記載も注目されており、形名思想や政治思想として、その内容の分析が進められている情況が確認できた。また、そうした前半部と後半部との異なる思想内容が一つの文献にまとめられていることへの関心が高まっていること、いわゆる黄老思想や道法思想を示す資料としてその資料的価値を見直す動きがあること等が確認された。思想内容に関する研究状況としては、「恒先」という用語の意味内容や、この資料に構想される宇宙生成の構造や順序に関する見解が多種多様に提示されている状況が確認された。また、「或」という用語についても多様な解釈が提示されており、これらのことが文献全体の思想内容に対する理解に大きな影響を与えている、との知見が得られた。 以上の研究成果は、前年度に行われた日本道教学会第72回大会での口頭発表「上海博物館藏戰國楚竹書『恆先』について」の研究成果を踏まえ、「上博楚簡『恆先』研究概況」と題し、『東方宗教』(第140号、年11月)にて公開された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
順調に進展した理由としては、初期の計画の実現可能性が高く、また研究の進展を阻害する外的要因がなかったため、と考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
道家系の伝世文献および、郭店楚墓竹簡、馬王堆漢墓帛書、上海博物簡蔵戦国楚竹書等の出土資料について、重要文献の選定を進める。
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