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思想(史)的課題としての「家族」──脱オイディプス化の半世紀を見つめ直す

研究課題

研究課題/領域番号 22K00100
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分01040:思想史関連
研究機関京都大学

研究代表者

立木 康介  京都大学, 人文科学研究所, 教授 (70314250)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
キーワード家族 / 非(もしくは脱)エディプス化 / 性的多様性 / ケア / 同性婚 / トランスジェンダー / 両性性 / 精神分析 / 非(あるいは脱)エディプス化 / 思想史 / セクシャル・ダイヴァーシティ / モノガミー / 脱オイディプス化
研究開始時の研究の概要

本研究は、今日の社会文化的状況に照らして「家族」をいかに定義すべきかという中核的な問いを、たんに法権利的問題としてではなく(法学領域と政治-制度的平面とを往還しながらプラグマティックに論じるのではなく)、ひとつの思想的課題と位置づけた上で、精神分析を基軸にした思想史的パースペクティヴのもとで、この問いに可能なかぎり多面的かつ重層的な解を用意することをめざす。上記の5つのサブテーマに沿って、文献と調査にもとづいた着実な考察を行う。

研究実績の概要

ヨーロッパにおける「家族思想」の転回点を印づけるように思われるドゥルーズ&ガタリの『アンティオイディプス』(1972)を下敷きに、その出版からの半世紀に欧米を中心に巻き起こった「家族」形態の急速な多様化(そのアウトラインは「脱オイディプス化」と呼びうる)と、それがもたらす「家族」概念の変化を、ひとつの思想的課題と捉え、精神分析を基軸とする思想史的パースペクティヴのもとで、21世紀の市民社会にふさわしい「家族」の再定義への道を拓くことを目的とする本研究は、1/ 性的アナーキズムとしての精神分析理論(これは本研究全体を方向づける立場でもある)、2/ 家族(への)回帰の論理の解析、3/ 「ケア」理論における家族論の可能性の追求、4/ 「同性婚」問題のラディカルな解明、5/ モノガミーの歴史=文化=心理的根拠を探る試み、というサブテーマに沿って、現代文明における「家族」の変容と、それがヒューマニティにもたらしうる帰結を考察する。2023年度は、このうち、1から4について、同時並行的に調査・検討を進め、とりわけ1および2との関連では、折よく訪れた著述(テレビ番組と連携した入門書の執筆)の機会を利用して、本研究によって深められた見解(精神分析が人間主体に想定する性的素質の多様性を、性自認の問いにまで拡張的に適用することの必然性)を広く一般社会に向けて表明することができた。また、前年度に引き続き、京都大学人文科学研究所の共同研究「家族と愛の研究」(冨山一郎班長)と連携し、そこから得られる諸情報を本研究の資料コーパスに組み込むことができた。それはとりもなおさず、本研究の充実に不可欠である学際的視点(歴史学、社会学、法学、心理学、生殖医療研究、児童文学研究など)を、本研究全体に行きわたらせるプロセスでもあった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

特に問題はない。ただし、上記の5つのサブテーマをめぐる研究・調査を均等な速度で進めることはできていない。また、折からの急速な円安により、海外調査の計画見直しを余儀なくされている。

今後の研究の推進方策

引き続き、上記の5つのサブテーマに沿って、資料収集・調査・考察を進める。同時に、R6年度は計画上の最終年度となるため、本研究から得られたデータ・情報を構造化しつつ、プロジェクト全体をまとめる作業に入りたい。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 図書 (5件)

  • [雑誌論文] Division du sujet : Foucault/Lacan2023

    • 著者名/発表者名
      TSUIKI, Kosuke
    • 雑誌名

      Bruno, P. et al., En finir avec la psychanalyse ?

      巻: ナシ ページ: 203-212

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] どこまでも動的なクレペリン像──精神病の〈発明〉と精神医学の「制作」2023

    • 著者名/発表者名
      立木康介
    • 雑誌名

      週刊読書人

      巻: 3509 ページ: 7-7

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] トラウマ記憶とトラウマ経験のあいだ──精神分析的外傷論のアップデートの試み2022

    • 著者名/発表者名
      立木康介
    • 雑誌名

      人文學報

      巻: 119 ページ: 31-47

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [学会発表] 〈委員会〉/カマリラ──フロイト的対話の夜から2023

    • 著者名/発表者名
      立木康介
    • 学会等名
      日本ラカン協会特別企画:フェレンツィ生誕150年シンポジウム「フロイトとの終わりなき対話」
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Division du sujet : Foucault/Lacan2022

    • 著者名/発表者名
      TSUIKI Kosuke
    • 学会等名
      En finir avec la psychanalyse ? (Colloque de Pari de Lacan)
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会 / 招待講演
  • [図書] 100分de名著 フロイト 夢判断2024

    • 著者名/発表者名
      立木康介
    • 総ページ数
      113
    • 出版者
      NHK出版
    • ISBN
      9784142231621
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] En finir avec la psychanalyse ?2023

    • 著者名/発表者名
      BRUNO, Pierre, TSUIKI Kosuke et al.
    • 総ページ数
      226
    • 出版者
      Edition de l'insu
    • ISBN
      9782490743155
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 露出せよ、と現代文明は言う(電子版)2023

    • 著者名/発表者名
      立木康介
    • 総ページ数
      370
    • 出版者
      河出書房新社
    • ISBN
      9784309246376
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 極限の思想 ラカン2023

    • 著者名/発表者名
      立木康介
    • 総ページ数
      448
    • 出版者
      講談社
    • ISBN
      9784065239797
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 精神分析のゆくえ2022

    • 著者名/発表者名
      十川幸司・藤山直樹ほか
    • 総ページ数
      256
    • 出版者
      金剛出版
    • ISBN
      9784772419321
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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