研究課題/領域番号 |
22K00104
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01040:思想史関連
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研究機関 | 北海学園大学 |
研究代表者 |
柴田 崇 北海学園大学, 人文学部, 教授 (10454183)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2025年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | サイボーグ / アーレント / ロシア宇宙主義 / クーケルバーク / AI / IA / サイケデリック / ノウアスフィア / 叡智圏 / ロシア宇宙論 / メタバース / H・アーレント / 宇宙 / 人体改造 / エンハンスメント |
研究開始時の研究の概要 |
人工物との融合で能力を「拡張」し、人間の進化を図るヴィジョンは1920年代イギリスの文献の中に見つかる。このヴィジョンは1960年にアメリカで「サイボーグ」と名付けられ、人口に膾炙するのだが、この過程で大きな役割を果たしたのが、地球外のフロンティアである宇宙の存在だった。 本研究では、1960年を挟む前後20年程度に期間を定め、SF誌に描き出されたサイボーグのヴィジョンの特徴と遷移を追跡するところから、人体改造を積極的に推進する思考と宇宙進出に駆られる熱狂とに共通する思想・文化的成育環境=ビオトープの特性を解明することを目指す。
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研究実績の概要 |
1950年代に始動する人類の宇宙進出は、身体と地球に対する疎外を思想的背景として推進された。本研究は、この思想環境=ビオトープの再現と解明を目指すものである。 当該ビオトープの形成過程には、いわゆるハイカルチャーとローカルチャーとの間でのアイディアの混交が顕著に認められる。本年度は、前者の再現に重点を置き、ビオトープ形成期を活写したH・アーレントの思想自体の特徴と限界とを、ロシア宇宙主義、および関連する技術哲学説との比較から考察した。今年度の実績は以下の通りである。・(分担執筆)「AI対IA――対立の図式に隠された真の主題」『人工知能とどうつきあうか――哲学から考える』勁草書房2023.7/・(招待講演:指定討論者)「シンポジウム 『やわらかいロボットから考える身体』」2024.3 日本生態心理学会(日本認知科学会「身体・システム・文化」研究分科会共催)/・「道具としての人工知能の位置づけ」2023.9 ワークショップ3:「道具」としての人工知能との関係を考える ヒューマンインタフェースシンポジウム2023/・(国際学会)(査読付)Reflection on mobility toward space : Taking H. Arendt’s “alienation” as a clue(英語), 2023.6, The Society for Philosophy of Technology 2023/・(査読付)「坂本賢三の技術哲学の射程――器官射影説の再解釈を手がかりに」2023.4 応用哲学会 第15回次研究大会/・(招待講演)「となりのサイボーグ――身体拡張のテクノロジー?」2023.4 北海学園大学人文学部(紀伊国屋書店札幌本店共催) 第30回「人文学の挑戦」/
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2023年度は、次年度以降に論文等にまとめることを期して、各種発表を通じた情報交換、および自説の検証に注力した。 これを受け、H・アーレントの技術論の起源に関する有力説であるM・クーケルバークの主張(プラトン『パイドン』起源説)を否定する論文の他、いわゆる身体拡張工学の発想が含む問題を指摘する論文等を執筆する準備が整った。本研究課題からすれば副次的な成果だが、アクチュアルな問題に一早く反応することで一定の貢献が見込めることから、この成果の発表を本年度の主たる課題とする。 昨年度の実績報告の「推進方策」にあげた課題、「P=テイヤール・ド・シャルダン、およびロシア宇宙論の文献の精読」、「これらに関連するサブカルチャー領域の文献の収集と整理」については、もおおむね予定通り進んでおり、引き続き、上記課題と並行して進める。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、次年度以降に論文等にまとめることを期して、各種発表を通じた情報交換、および自説の検証に注力した。 これを受け、H・アーレントの技術論の起源に関する有力説であるM・クーケルバークの主張(プラトン『パイドン』起源説)を否定する論文の他、いわゆる身体拡張工学の発想が含む問題を指摘する論文等を執筆する準備が整った。本研究課題からすれば副次的な成果だが、アクチュアルな問題に一早く反応することで一定の貢献が見込めることから、この成果の発表を本年度の主たる課題とする。 昨年度の実績報告の「推進方策」にあげた課題、「P=テイヤール・ド・シャルダン、およびロシア宇宙論の文献の精読」、「これらに関連するサブカルチャー領域の文献の収集と整理」については、もおおむね予定通り進んでおり、引き続き、上記課題と並行して進める。
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