研究課題/領域番号 |
22K00112
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01040:思想史関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
大黒 岳彦 明治大学, 情報コミュニケーション学部, 専任教授 (30369441)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2026年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | サイバネティックス / 多元主義 / 情報的世界観 / 情報社会 / 情報 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は以下の三つの問いによって構成される。 ①サイバネティックスとは何であったのか? ②サイバネティックス運動の進展の中で「情報的世界観」が如何なる理路で形成されてきたか? ③現在の情報社会は「情報的世界観」を、その社会構造にどのような形で思想的に組み込んでいるのか? 「サイバネティックス」を、ウィーナー思想のみならず、彼に影響を受けた第二世代によって20世紀いっぱいに渡って展開された諸思潮も含む「サイバネティックス運動」として捉え返し、その生成から「情報的世界観」の形成、様々な分野でのその適用迄を系統的に跡付け、運動の全貌を科学・技術思想史的なパースペクティヴから解明する。
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研究実績の概要 |
本研究は「サイバネティックス」を、ウィーナー思想のみならず、彼に影響を受けた第二世代によって20世紀いっぱいに渡って展開された諸思潮も含む「サイバネティックス運動」として捉え返し、その生成から「情報的世界観」の形成、様々な分野でのその適用迄を系統的に跡付け、運動の全貌を科学・技術思想史的なパースペクティヴから解明しようとするものである。 本研究は以下の三つの問いによって構成される。①サイバネティックスとは何であったのか?②サイバネティックス運動の進展の中で「情報的世界観」が如何なる理路で形成されてきたか?③現在の情報社会は「情報的世界観」を、その社会構造にどのような形で思想的に組み込んでいるのか? 本年度は、台湾政府外交部の奨助を得て、台湾大学で一年間在外研究を行っていた事情もあり、サイバネティックス運動そのものの思想史的な研究というよりは、その成果としての情報社会の現状および未来を、「多元主義」「情報的世界観」をキーワードに研究を実施した。 その成果は、台湾政府(外交部)に研究成果として提出した論文Media and Pluralism in the Information:Society:Taiwan as a Model、および著書『〈情報的世界観〉の哲学──量子コンピュータ・メタヴァース・生成AI』に纏めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
期せずして台湾政府からのグラントを得て、台北に一年間滞在することになったため、当初の予定どおり研究が進んだわけではない。 だが、情報インフラの先進国であり、またアジアで屈指の多元主義を標榜する国家である台湾で情報社会と多元主義との関係を、おもに政治学的なアプローチによって研究でき、またその成果を英語論文に纏めることができたことは、本研究計画の今後の展開にとっても有益であった。 なぜなら、サイバネティックス思想は政治学的なアングルからは論じられることが少なく、にもかかわらず政治的多元主義にとってサイバネティックスは潜在的な可能性を秘めていると考えられるからである。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は、本年度の研究成果を踏まえながら、本線に復帰し「多元主義」および「情報的世界観」の概念を軸にサイバネティックス運動の理路を思想史的にフォローしていきたい。
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