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1920年代から70年代におけるヒーロー/ヒロイン表象についての研究

研究課題

研究課題/領域番号 22K00132
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分01050:美学および芸術論関連
研究機関成蹊大学

研究代表者

大橋 崇行  成蹊大学, 文学部, 准教授 (00708597)

研究分担者 茂木 謙之介  東北大学, 文学研究科, 准教授 (00825549)
大道 晴香  國學院大學, 神道文化学部, 助教 (00881252)
柳瀬 善治  広島大学, 人間社会科学研究科(総), 准教授 (10782328)
諸岡 卓真  北星学園大学, 経済学部, 教授 (40528246)
若松 伸哉  愛知県立大学, 日本文化学部, 准教授 (40583802)
小松 史生子  金城学院大学, 文学部, 教授 (60350948)
押野 武志  北海道大学, 文学研究院, 教授 (70270030)
光石 亜由美  奈良大学, 文学部, 教授 (90387887)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
キーワードメディア / 表象文化 / アダプテーション / ヒーロー / ヒロイン / 東アジア / 植民地 / 地域表象 / 映画 / 時代劇 / コンテンツ文化 / 大衆文化
研究開始時の研究の概要

本研究は、探偵小説、SF小説、特撮などに登場するヒーロー/ヒロイン表象が、1920~70年代それぞれにおける同時代の社会的価値観をどのように反映しているのかについて国内外のテクストを対象に分析することを通じ、表象文化の分析に用いられてきた理論的枠組みを検証し、より有効な理論的アプローチの開拓をめざすものである。
研究は年4回の定例研究会、およびヒーロー/ヒロイン表象に関する資料の調査・収集が中心となる。調査結果についてはデータベース化するとともに、研究会での研究成果は、年度ごとに国内学会、国際学会、シンポジウム開催によって口頭発表を行い、最終的に論集としてまとめていくことをめざす。

研究実績の概要

2023年度は、地域ごとに設定した各ブロックで資料の調査・収集を行った他、特に札幌中央図書館「池田コレクション」の全点調査を2024年3月に実施した。
また本プロジェクトの3つのWGのうち、「多言語の文化圏におけるヒーロー/ヒロイン表象に関するWG」を中心に研究活動を進め、この内容についてオンラインにて3度の研究会を開催した。第1回および第2回研究会では、2023年9月にインドネシア・バリ島で開催され、プロジェクトの成果発表として参加する予定だった国際研究フォーラム「第11回 東アジアと同時代日本語文学フォーラム バリ大会」の打ち合わせとプレ発表を実施し、研究代表者の大橋崇行、および研究分担者の小松史生子、光石亜由美、茂木謙之介が報告を行った。この内容については、予定通り9月1日に同フォーラムにおいてパネル発表「越境するヒーロー/ヒロインたち グローカル・戦争・身体」を行っている。具体的には、小松史生子が「機械化人間の身体性 松本零士と戦後ポップカルチャー」、光石亜由美が「植民地朝鮮のヒロイン表象 崔承喜をめぐって」、大橋崇行が「キャラクターとしての〈アジア人〉 初期ハリウッドと上山草人」と題して口頭発表し、茂木謙之介をディスカッサントとして、東アジアの戦争表象、ヒーロー表象について議論を行った。これに加え、第3回研究会では研究分担者の柳瀬善治により、「尾道市史近代編現代編の編纂作業から見出された、地域表象とヒーロー表象」と題して報告が行われた。
この他の研究成果として研究代表者の大橋が口頭発表を1回、研究分担者の茂木、柳瀬善治が学術論文各1点したほか、柳瀬が編者となって台湾で刊行された書籍において茂木、大橋の業績が紹介されている。また、大道晴香が2023年度に執筆した資料解題を2024年度に公刊する予定となっている。以上のことから、研究プロジェクトは順調に進捗している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本プロジェクトは、年間3~4回の研究会の開催、および各ブロックでの資料調査と、プロジェクトメンバーが集まってのコレクション調査を中心に進めており、これらの研究を進めるためメール会議にて進捗状況を確認している。また、プロジェクト2年目である2023年度は、「多言語の文化圏におけるヒーロー/ヒロイン表象に関するWG」を中心に研究を進め、国際学会や国際研究フォーラム等で口頭発表を行い、研究成果を国際的な日本研究の枠組みの中で広く還元することをめざしてきた。これらの研究計画を予定通り進めることができているという意味で、本研究はおおむね順調に進展していると言える。
一方で課題としては、特に研究プロジェクトの1年目において新型コロナウィルスの感染状況を見ながら進めたことで、資料の調査・収集が各ブロック担当者によるものが中心となり、プロジェクト全体に関わる調査・収集が不十分となってしまったことが挙げられる。2023年度は札幌中央図書館「池田コレクション」において調査を行ったが、2024年度はこうした調査を積極的に行っていきたい。
また、国外にある資料の調査・収集においても、ハリウッド博物館、アカデミー映画博物館、シネマテーク・フランセーズをはじめ一部海外資料の調査・収集を行うことはできているものの、円安の影響で本プロジェクトの予算では、当初予定していた調査先への渡航が難しいなどの事態が生じている。この点については、2024年度に調査先や調査方法を精査していくことで、改善していきたい。
これに加え、当初の計画では、調査・収集したデータの公開を国文学研究資料館の「近代書誌・近代画像データベース」に依頼する予定であったが、同DBが「国書データベース」に統合されたことで、既存のFileMakerで作成した書誌データに合わない事態が生じている。そのためデータの公開についても、今後検討を進めていく。

今後の研究の推進方策

2024年度においては、「メディア横断型コンテンツの分析理論構築に関するWG」が中心となって研究プロジェクトを進めていく計画となっている。2022年度、2023年度の研究がおおむね順調に進展していることから、これを当初の予定どおり進めていくものとする。
まず、年度内で3回の研究会の開催を予定しており、WGのメンバーである大道晴香、若松伸哉、茂木謙之介を中心に報告を行う。このほか、2023年度に国際研究フォーラムでのパネル発表を行ったことから、2024年度は国内でシンポジウム、公開研究会等を開催し、オンラインでも視聴できるようにする予定である。これに加え、完成年度の後に研究会全体の成果を1冊にまとめる共著を刊行する計画となっている。これらについても、従来どおりメール会議にて進捗状況を確認しながら順次作業を進めていくことで、研究成果をより広く社会に還元できるようにしていきたい。
このほか、2024年度は新たに3名の大学院生にも研究会に参加してもらう予定となっている。このことで、研究プロジェクトが2024年度をもっていったん終了した後にどのように研究を続けていくのかを視野に入れながら、新たな研究体制を構築していく。
また、資料の調査・収集については、特に国外で予定していた調査先において、台湾国立図書館や韓国国立中央図書館などをはじめとして、各館の所蔵資料のデジタルアーカイヴとインターネット上での公開が、当初のプロジェクト計画段階で想定していた以上に進んでいる。2022年から進んでいる円安のためにプロジェクトの予算では当初の予定どおり渡航することが難しい調査先が出てきているという状況も踏まえながら、2024年度の早い段階で資料の調査・収集先を精査していく。その上で、デジタル資料で調査・収集が代替できるような調査先については、これを以て代替とすることも検討していく予定である。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (16件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 図書 (4件)

  • [雑誌論文] 尾道の文化関連資料における地域表象とヒーロー表象 : 尾道市史近代編現代編の編纂作業の余白に2024

    • 著者名/発表者名
      柳瀬 善治
    • 雑誌名

      アジア社会文化研究

      巻: 25 号: 25 ページ: 1-30

    • DOI

      10.15027/55234

    • URL

      https://hiroshima.repo.nii.ac.jp/records/2016397

    • 年月日
      2024-03-31
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 「魔的なもの」の復活 荒俣宏『帝都物語』論2023

    • 著者名/発表者名
      茂木謙之介
    • 雑誌名

      現代思想

      巻: 51(10) ページ: 174-185

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 「Hero」と「男本尊」 反キャラクター論としての坪内逍遥『小説神髄』2023

    • 著者名/発表者名
      大橋崇行
    • 雑誌名

      成蹊國文

      巻: 56 ページ: 35-43

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] “Readers” and “Writers” in Japanese Detective Fiction, 1920s?30s: Tracing Shifts from Edogawa Rampo’s “Beast in the Shadows” to The Demon of the Lonely Isle2023

    • 著者名/発表者名
      Komatsu Shoko、Siercks Eric
    • 雑誌名

      Humanities

      巻: 12 号: 1 ページ: 12-12

    • DOI

      10.3390/h12010012

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] 湖面の恋、湖底の泥 ――江戸川乱歩と横溝正史、探偵作家が描く〈諏訪湖〉――2023

    • 著者名/発表者名
      小松史生子
    • 雑誌名

      大衆文化

      巻: 28 ページ: 18-33

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「大審問官」と「原爆文学」 ―核時代における権力表象と対抗表象に関するノート2023

    • 著者名/発表者名
      柳瀬善治
    • 雑誌名

      原爆文学研究

      巻: 21 ページ: 23-41

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] The Relationship between Yakyu(Baseball) and Militarism: Baseball Discourse in Japanese Shonen (Boys’) Culture2022

    • 著者名/発表者名
      Ohashi Takayuki
    • 雑誌名

      Japanese Studies

      巻: 42 号: 3 ページ: 243-257

    • DOI

      10.1080/10371397.2022.2110048

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「見かけ」=「ドグマ」から「戦後文学」へ ー三島由紀夫とラカンをめぐる研究動向に関する一考察ー2022

    • 著者名/発表者名
      柳瀬善治
    • 雑誌名

      三島由紀夫研究

      巻: 20 ページ: 56-75

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 「地域性と文学」への一考察―先行研究を概観しながら展望を考える2022

    • 著者名/発表者名
      柳瀬善治
    • 雑誌名

      近代文学試論

      巻: 60 ページ: 61-72

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 『文学国語』の可能性 「読むこと」と「書くこと」をつなげる2023

    • 著者名/発表者名
      大橋崇行
    • 学会等名
      どうする「国語」の探究型学習 高校の探究と大学の研究をつなぐ
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 越境するヒーロー/ヒロインたち グローカル・戦争・身体2023

    • 著者名/発表者名
      大橋崇行、小松史生子、光石亜由美、茂木謙之介
    • 学会等名
      第11回 東アジアと同時代日本語文学フォーラム バリ大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 「Hero」としての「男本尊」 坪内逍遥『小説神髄』「主人公の設置」を中心に2022

    • 著者名/発表者名
      大橋崇行
    • 学会等名
      日本近代文学会2022年度秋季大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 日本學指南2023

    • 著者名/発表者名
      山藤夏郎、林承緯、陳志文、柳瀬善治、楊素霞、榊祐一、羅曉勤
    • 総ページ数
      440
    • 出版者
      五南圖書出版有限公司
    • ISBN
      9786263430976
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [図書] 落語と小説の近代2023

    • 著者名/発表者名
      大橋 崇行
    • 総ページ数
      308
    • 出版者
      青弓社
    • ISBN
      9784787292728
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 原爆報道の研究2023

    • 著者名/発表者名
      小池聖一、柳瀬善治ほか
    • 総ページ数
      383
    • 出版者
      現代史料出版
    • ISBN
      9784877853846
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [図書] 三島由紀夫最後の言葉2022

    • 著者名/発表者名
      三島由紀夫、柳瀬善治ほか
    • 総ページ数
      128
    • 出版者
      武久出版ぶQ出版センター
    • ISBN
      9784894541429
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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