研究課題/領域番号 |
22K00138
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
|
研究機関 | 東京藝術大学 |
研究代表者 |
清水 知子 東京藝術大学, 大学院国際芸術創造研究科, 准教授 (00334847)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 生命 / 死 / テクノロジー / AI / メディア / ジェンダー / 動物 / アート / 芸術 / バイオアート |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、生命と科学が交錯する芸術作品に焦点をあてながら、1)新しい科学技術と共に人間の身体能力を拡張し「サイボーグ」化を加速する「トランスヒューマニズム」をめぐる議論の再考、2)絶滅危惧種の保護や再生に見る「生」と「死」をめぐる生命科学とデザイン/アートの関係、3)生殖に関する技術操作(クローン、人工授精、代理母等)が可能になる現状において、生の生産の歴史に刻印されてきた科学とジェンダーの不均衡な権力関係を考察する。国内外のアーティスト、科学者、研究者と学際的な研究として掘り下げることで、生政治/死政治をめぐる新たな理論的地平を切り拓き、生命と芸術について次世代に向けた新たな提言を目指す。
|
研究実績の概要 |
本研究は、生命科学をめぐる技術的革新が目覚ましい進展を遂げるなかで、生と死、生命と科学が交差する地平をめぐる様々な芸術作品に焦点をあてながら、その倫理的・政治的課題と可能性を、現代芸術を通して考察するものである。研究2年目にあたる2023年度は、前年度の研究成果をもとに芸術と科学、生命とテクノロジーに関する具体的な作品と関連資料を整理し、アーティスト、科学者にインタビュー調査を行いながら文献と作品の考察を行った。またその成果について、 インドで開催された国際会議(The 14th Inter-Asia Cultural Studies Biennial Conference)にてPosthumanism and Feminist Practices in the Arts and Popular Media を、、及び日本メディア学会秋季大会にてディスカッサントとして「メディア考古学と芸術 ーテクノダイバーシティと未来のアーカイブを再考する」について、さらに名古屋大学において、名古屋大学超域文化社会センター 主催の第19回TCSセミナー にて「ポストヒューマン時代のメディアと芸術 」、名古屋大学国際会議「Gender - Technology - Culture」にて「サイバーフェミニズムとAIの未来 ージェンダー、人種、ロボットをめぐる政治的想像力」を「サイバーフェミニズムとAIの未来 ージェンダー、人種、ロボットをめぐる政治的想像力」 について発表し有意義な議論を交わすことができた。また論考としても、『I.R.S.ージャック・ラカン研究』において「クィア理論と暴力の政治学ージュディス・バトラーにおける生/性の哲学の可能性と陥穽 」について、『世界』において「AIをクィアするープロメテウスの子どもたちはどこへ行くのか 」について研究成果の一部をまとめることができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、前年度の研究発表を展開させ、積極的に国内外の学会および研究会でその成果を発表することができた。2024年度は最終年度として、これまでの研究成果を公開すべく、3年間の活動を総括していきたい。
|
今後の研究の推進方策 |
最終年度では研究成果の公開に向けて3年間の活動を総括する。(1)前年度の調査に基づき、理論的な洞察をもとに分析を行い、その成果を国内外の会議において発表及び論文としてまとめる。(2)3年間の集大成としてその成果を国際学会で発表し、また単行本として刊行するために必要な最終的な資料の確認、追加のインタビュー調査を行う。(3)研究成果の刊行。英文の専門誌、国内外の学会を中心に幅広く議論を提起し、かつ上記の研究成果を今後の研究の基盤となる質と量をもったものとして刊行する。
|