研究課題/領域番号 |
22K00152
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01050:美学および芸術論関連
|
研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
高桑 いづみ 日本女子大学, 文学部, 研究員 (60249919)
|
研究分担者 |
配川 美加 日本女子大学, 文学部, 研究員 (10787344)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | 近世邦楽 / 長唄 / 一節切 / 能楽 / 楽譜 |
研究開始時の研究の概要 |
一節切は、室町時代から江戸初期にかけて流行した小型の尺八である。江戸後期には衰退していたが、一時的に復興運動がおきた。従来の尺八史では注目されてこなかったが、近世邦楽との合奏をはかり、幕臣にまで愛好者を広める画期的な運動であった。本研究では、この運動の中心人物神谷潤亭をめぐる動き、潤亭の著作や作成した楽譜、愛好者との交流を検証して、一節切譜から浮かび上がる江戸後期の近世邦楽の実態や地方への愛好者の展開などを解明する。
|
研究実績の概要 |
文化文政期に再流行をみせた小型の尺八一節切は、普及のために江戸後期に流行した三味線音楽との合奏を試み、その譜本を作成している。それらの譜本研究を通して、近世後期の長唄や能の実態の一端を明らかにした。 まず、譜本について諸本の調査をおこない、調査結果は「『糸竹古今集』『糸竹五色貝』とその所収曲」と題して『長唄の伝承 旋律形成に関する学際的研究』(2023年3月 檜書店発行)に掲載した。 三味線音楽と合奏を試みた曲のうち、数曲について五線譜化を行って現行の三味線楽譜との比較をおこない、現行譜とほぼ変わりがないことを確認した。比較譜については同じく『長唄の伝承』に掲載している。 合奏を試みた三味線音楽の中には能楽の囃子事、クルイを摂取した「相生獅子」もある。一節切譜に反映されたクルイの譜を通して、長唄のクルイが現行の能楽藤田流の譜と一致することも確認した。調査結果は「長唄『クルイ』合方考」と題して同じく『長唄の伝承』に掲載した。その他、能楽の大ノリ謡を摂取した「相生獅子」「傾城道成寺」についても一節切譜を解読し、能楽の大ノリ謡との異同について研究を行った。結果は「長唄が摂取した謡の近古式地拍子」と題して、同じく『長唄の伝承』に掲載した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
調査を予定していた無窮会が現在閲覧を停止しているため、新規の調査が執行できなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
本年度は、引き続き一節切譜の調査とその五線譜化をおこない、近世後期の三味線音楽の実態の把握に努める。
|