研究課題/領域番号 |
22K00156
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
佐々木 あすか 弘前大学, 人文社会科学部, 助教 (80620757)
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研究分担者 |
須藤 弘敏 弘前大学, 人文社会科学部, 客員研究員 (70124592)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 日本彫刻史 / 神将像 / 北東北 / 平泉 / 菩薩像 / 仏像 / 青森県 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、平安時代後期から鎌倉時代の青森県を中心とした北東北の仏教彫刻を対象とし、当該期の造形の伝播過程を明らかにすることを目的とする。青森県の仏像については、細かな制作年代、作者、作風などを総合的に考察した作品研究はほとんど未着手である。本研究では、中央や、中央の影響を受けた平泉の仏像との比較が可能な、北東北に残る中央の作風を示す仏像に着目する。制作年代・作者系統の判別を可能とする仏像の細部形式を指標として活用することで、北東北の仏像の制作年代や作者を考察するための造形の伝播過程を具体的に解明することを試みる。
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研究実績の概要 |
本研究は、平安時代後期から鎌倉時代の青森県を中心とした北東北の仏教彫刻を対象とし、当該期の造形の伝播過程を明らかにすることを目的とする。その手段として、制作年代・作者系統の判別を可能とする仏像の細部形式を活用し、中央・平泉の仏像と、北東北の仏像とを比較することで、北東北における仏像の造形の伝播過程を、造形に即して明らかにすることを試みるものである。 今年度は、昨年度に引き続き神将像を中心に取り組んだ。神将像の甲や着衣の細部形式は、上半身から両足まで多くの構成要素から成り、それらを1体の像において組み合わせるため、多くのバリエーションを生んでいる。昨年度より、中央と、平泉およびその周辺の仏像の資料収集、各細部形式の体系化をおこなってきたが、さらに細部の情報が足りなかった部分について、調査や熟覧、資料収集によって、神将像各部の細部形式の体系化を継続した。これにより、平安時代後期および鎌倉時代の神将像それぞれに多用される形式の要素を、より詳細に把握することができた。 北東北の仏像では、清水寺天部立像の調査を実施した。特に保存状態について、実見によって制作当初の部分をより明確に判断することができた。調査結果やこれまでの細部形式の検討をもとに、制作時期、制作地の推定をおこなうとともに、当初の体勢を検討した。その成果の一部は「仏像の造形はどのように伝わるのかー中世の東北地方の仏像を例に」として口頭発表をおこなった。また昨年度も調査を実施した南部町所在の毘沙門天像について、熟覧により詳細な構造の把握や、細部形式の特徴を指標とした制作年代の検討をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は、昨年度の研究によって課題となった神将像の分析の精度をより高めるため、資料の収集、調査・熟覧を継続した。これによって、如来像の調査が未実施となったものの、資料収集は概ね順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
如来像の調査を実施し、併せて資料収集をおこない、細部形式の体系化を進める。それをもとに、調査対象作品について、個別の作品研究をおこなう。また、これまでに継続してきた菩薩像、神将像についても、必要に応じて熟覧や資料収集を継続し、分析の精度をより高めるよう努める。
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