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美術作品における筋膜の表現と筋膜の解剖学的構造

研究課題

研究課題/領域番号 22K00166
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分01060:美術史関連
研究機関順天堂大学

研究代表者

阿久津 裕彦  順天堂大学, 医学部, 非常勤助教 (70785807)

研究分担者 加藤 公太  順天堂大学, 医学部, 非常勤助教 (80734615)
研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワード解剖学 / 美術解剖学 / 筋膜 / 肉眼解剖学 / 大腿筋膜 / 19世紀 / 美術史 / メディカルイラストレーション
研究開始時の研究の概要

本研究は、美術作品にしばしば表現されている骨、筋肉、皮下を走行する静脈以外の起伏が何によってできているかを実際の解剖体を用いて検証するものである。中でも先行研究の少ない、体表に影響する筋膜に焦点を当てた。一部の肥厚した筋膜は、体表から起伏として観察できることが知られているが、解剖学でも筋膜の研究は非常に乏しく、医学的にも筋膜リリースなどの一般用語が普及していることから研究の余地があると考えられる。筋膜の具体的な調査部位として、「膝上の内側広筋を抑える筋膜」「殿部の横溝を作る筋膜」「棘下筋の表面を抑える筋膜」「下腹部の横線を作る筋膜」を調査し、美術解剖学と解剖学の情報を更新する。

研究実績の概要

フランスの医師ポール・リシェが記述した大腿筋膜の弓状支帯について初年度に採取した標本のクリーニングを行なった。標本は大腿前面の大腿筋膜を剥離したものを10側、大腿部に温存したままのものを10側採取し、それぞれで結合組織の除去を行なった。この際、周囲の筋膜構造である腸脛靱帯と膝蓋支帯の走行と範囲もある程度分類することができた。大腿筋膜の弓状支帯の線維は大腿筋膜および大腿四頭筋の表在筋膜に属し、周辺の腸脛靱帯と膝蓋支帯の線維走行とは癒着しているものの、ほぼ交流が見られない。したがって、大腿筋膜の最下端に位置する線維であると考えられる。解剖体によっては大腿筋膜の弓状支帯による圧痕が、内側広筋の筋腹の上に見られることがあり、弛緩して柔らかい筋よりは硬い線維であるが、筋が凝った様な状態で張力が元々高い人では筋の方が繊維より硬くなって、体表から観察できないことが推測される。生体での観察を行う場合、トレーニングによって筋が発達した人や体が硬い人ではなく、中肉中背の人で調査を行うと良いと考えられる。
他に、殿部では坐部端綱の観察も1例行った。坐部端綱は後面では大殿筋の表面を覆っていたが、坐骨肛門窩の領域に入ると、比較的硬さのある殿部脂肪体の中に放散する様に分布していることがわかった。この脂肪体は線維様の結合組織が充満しており、骨への付着部を辿ることが困難であった。代わりに、殿部脂肪体全体を一括で単離できることがわかったため、取り外した後にクリーニングを行うことでより詳細な線維の分析が可能になると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

非常に薄い筋膜のクリーニング作業と重なり合う線維の解析に思いの外時間がかかることがわかった。現在は指導している学生らに手伝いを依頼し、遅れを取り戻すことを行なっている。膝以外の部位について、解剖実習の進行状況との兼ね合いが難しく例数が少ない。これに関しては、研究用標本などを用いて初見を増やしていこうと考えている。

今後の研究の推進方策

引き続き標本のクリーニングと、論文用の作図作業を進める。大腿筋膜の弓状支帯に関する歴史的な文献は、調査が概ね完了しており、今回の調査で観察できた解剖初見をまとめてテキストに書き起こす作業を行う。
大殿筋の筋膜に関しては解剖初見を増やしていく。必要に応じて作業人数を適宜増やし、研究が遅れない様にする。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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