研究課題/領域番号 |
22K00167
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
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研究機関 | 金城学院大学 |
研究代表者 |
龍澤 彩 金城学院大学, 文学部, 教授 (00342676)
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研究分担者 |
下原 美保 関西学院大学, 文学部, 教授 (20284862)
五十嵐 公一 大阪芸術大学, 芸術学部, 教授 (50769982)
三宅 秀和 群馬県立女子大学, 文学部, 准教授 (50788875)
高岸 輝 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (80416263)
井戸 美里 京都工芸繊維大学, デザイン・建築学系, 准教授 (90704510)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 日本絵画史 / 大名文化 / 日本美術史 / 中近世絵画 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、①大名家でどのように古代中世の絵画(古画)に価値が見いだされ、選択・受容されたのか、②近世の絵画制作に、大名家がどのように関与していたのか、③江戸時代を通じて、大名家コレクションはどのように形成されたのか、という三点を問題意識として一貫させつつ、複数の大名家の所蔵品を精査し、相互に比較する。本研究により、分家や代替わり、公家からの輿入れも含む婚礼など、各家特有の出来事や、藩祖の神格化、将軍家・幕府中枢との関係といった大名家ごとの個性が、絵画コレクションにどのように反映されているかを明らかにすることを目指す。
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研究実績の概要 |
2022年度は、大名家伝来作品の調査と、成果発表として著書・論文の刊行、研究会を開催した。 作品調査:福岡市美術館(龍澤、黒田家伝来「百流之鑑」ほか)、千秋文庫(龍澤・髙岸、佐竹家伝来史料)、香川県立ミュージアム(髙岸、高松松平家史料)、高槻市しろあと歴史館(井戸、「架鷹図」ほか)、砺波市美術館(龍澤、紀州徳川家伝来「源氏物語色紙画帖」)、宇和島伊達文化保存会(龍澤・三宅、宇和島伊達家伝来「源平合戦図屏風」)など。 著書:髙岸輝『万物流転―語られるイメージと時間―』(高松市歴史史料館、2013年2月) 論文:五十嵐公一「狩野興以の法橋叙任」(『国華』1518、2022年4月)、龍澤彩「「狩野昌運筆「酒呑童子絵巻」」(『國華』1522号、2022年8月)、下原美保「住吉広行による「木筆三十六歌仙」の模写について」(『美術論究』38編、2022年9月)、三宅秀和「「添帖控」(狩野養信雅信鑑定控)の紹介と翻刻」(共著)(『群馬県立女子大学紀要』44号、2023年2月)、三宅秀和「江戸人の描いた「関東」」(『地域学ブックレット 群馬の歴史と文化遺産 №10 関東に「北」はあるのか」〈第40回群馬学連続シンポジウム記録〉』(2023年3月)。学会発表:五十嵐公一「「職人誂物之事」と注文制作 狩野永徳の事例を中心として」(美術史学会西支部例会、於・京都工芸繊維大学、2023年1月21日) 研究会:第1回大名美術史研究会(6月25日、於・東京大学)研究報告は、龍澤彩「尾張徳川家の蔵帳・道具帳 大名家コレクション研究の端緒として」、髙岸輝「『大名の美術史』という構想」、井戸美里「吉川家伝来「洛中洛外図屏風」の景観描写をめぐって」、五十嵐公一「毛利家旧蔵の宗達筆西行物語絵巻」、三宅秀和「熊本藩細川家の道具帳と絵師の登用について」、下原美保「平戸藩の蔵書目録にみる中世絵巻の模本の拡がりについて」。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大名家伝来、または大名家の関与が推定される作品の調査は、受け入れ先機関との調整の上、可能なところから進めている。2022年度の調査は、今後の調査対象となり得る資料を新たに見出す機会にもなった。研究成果報告としては、「研究実績の概要」に掲げたもののほか、招待講演として、下原美保「住吉派とその流れ」(大和文華館「住吉広行-江戸後期やまと絵の開拓」展関連シンポジウム2022年10月31日)、髙岸輝「讃岐の霊地と瀬戸内の風景を描く―中近世やまと絵の七百年」(高松市歴史資料館「万物流転―語られるイメージと時間―」展関連企画、2023年2月19日)が行われたが、いずれも本科研のテーマとも関わる展覧会と連動しており、阿波蜂須賀家伝来作品や高松松平家伝来作品についての知見を本科研メンバー全員で共有できたことも、今後の計画を考える上で収穫となった。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度以降も、作品調査と論文等による成果報告を基本として、研究を推進していく。各人の研究報告の場として、2023年6月25日には「第2回大名美術史研究会」の開催を予定している。同研究会では東京大学の大学院生の参加も見込んでおり、幅広く情報共有をしつつ研究を深化させたい。また、2022年度の研究活動により、本科研の申請時には予定していなかった各地の大名家コレクションの研究も視野に入れる必要性が生じてきているため、本科研テーマをさらに拡充すべく、前年度申請を行うことを計画している。
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