研究課題/領域番号 |
22K00169
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
宮治 昭 龍谷大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (70022374)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 仏伝美術 / ガンダーラ美術 / 大乗仏教と美術 / 釈迦信仰 / 大乗仏教信仰 |
研究開始時の研究の概要 |
1~3世紀頃にかけてガンダーラ地方(現パキスタン)では仏伝美術が興隆した。一方、当地は大乗仏教興隆の地として注目される。本研究は美術史の立場からガンダーラにおける伝統的な釈迦信仰と大乗仏教信仰との連続性と差異性を明らかにするとという従来にない視点から、ガンダーラの仏伝浮彫を主題ごとに整理し、大乗経典の研究成果を含めた文献の記述を付した仏伝資料データベースを作成する。ここには国内コレクションの最新の調査結果を反映する。この作業を基に、仏伝美術の個々の主題や図像と大乗仏教との関連性を探る。成果は研究会や国際ワークショップで発表し、議論を通じ、ガンダーラの仏教信仰の実態への新たな共通理解を形成する。
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研究実績の概要 |
本研究はパキスタン・インド、欧米、日本に散在している大量のガンダーラ彫刻の調査の実績に基づき、それらのデータベースを構築すること、および仏伝美術とそれに関連する諸問題の研究を進展することを目的とする。本年度はインドの多くの博物館、および欧米の美術館・博物館所蔵の作品を中心にカラースライドのデータ化とその資料整理を中心に進めた。 研究に関してはガンダーラ仏伝美術の主要な特徴である年代記的な仏伝、および大乗仏教と関わると見られる特徴的な場面を取り上げ、その様相を仏典(主にサンスクリット、および漢訳)と照合しつつ検討し、研究を進めている。年代記的な仏伝に関しては、奉献塔に取り付けられたものが多く、それらの作例を可能な限り収集し、初期漢訳仏典と照合しつつ、図像の細部の解釈を行っている。また、大乗仏教と関わるとみられる彫刻を収集し、それらの図像をタイプ分けすると共に、初期漢訳大乗仏典との照合を試みている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は今迄に行ってきた、主に科学研究費補助金による海外(インド・パキスタン・欧米)のガンダーラ彫刻の調査によって収集した大量の写真資料のデータ化と、そのデータの整理を重点的に行った、現在までに主な所蔵先として、インドのアラハバード博物館、コルカタ・インド博物館、チャンディガル州立博物館、ニューデリー国立博物館、マトゥラー博物館、ラクナウ博物館、旧プリンス・オブ・ウェールズ博物館、パキスタンのラホール博物館、イギリスの大英博物館、ヴィクトリア&アルバート博物館、フランスのギメ東洋美術館、ドイツのベルリン国立アジア博物館、アメリカ・カナダのアメリカ自然史博物館、クリーヴランド美術館、サンフランシスコ・アジア美術館、シカゴ美術館、ハーバード大学フォッグ美術館、パシフィック・アジア美術館、フリーア美術館、ブルックリン美術館、ボストン美術館、ロイヤル・オンタリオ美術館、ロサンゼルス・カウンティ美術館などである。 これらの所蔵別の作品を仏陀像、菩薩像、本生・仏伝図、守護神、供養者、装飾、その他に分類して整理し、データベース作成の基礎作業を行った。 研究としては特に仏伝図と大乗仏教美術の関連に関し、従来、「舍衛城の神変」に同定されてきた一群のガンダーラ彫刻を、(1)三尊タイプ、(2)発出タイプ、(3)楼閣タイプ、(4)蓮池タイプに分類し、初期大乗経典に見られる「仏陀の大光明(放光)の神変」と関係が深いことを指摘し、大乗の仏身観・菩薩観・世界観が現れていることを、経典記述と図像とを比較しつつ、その様相を明らかにした。
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今後の研究の推進方策 |
ガンダーラ美術の作品はパキスタン・インドはもとより世界中に散在しており、日本にも多量に所蔵されている。今後、日本での所蔵作品の調査も課題で、所蔵者との交渉を行って進めたい。各地に散在しているガンダーラ美術の彫刻は大量で、また図録や美術書に収録されている作品をスキャンして加え、それら全体のデータベース構築に向けての整理作業も未だ多くを残しており、積極的に進める。 研究に関してはガンダーラの仏伝美術を中心に、インド内部や中央アジア・中国の作例との比較研究、および大乗仏教との関係についても考察を深める。そのための研究会やシンポジウムの開催も行う予定である。
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