研究課題/領域番号 |
22K00170
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
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研究機関 | 京都美術工芸大学 |
研究代表者 |
岡 達也 京都美術工芸大学, 工芸学部, 准教授 (50833761)
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研究分担者 |
和田 積希 京都工芸繊維大学, 美術工芸資料館, 研究員 (50746112)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2025年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 図案 / 染織図案 / 丸紅商店 / あかね会 / 図案集 / 近代 / デザイン / 図案家 |
研究開始時の研究の概要 |
近代日本における「美術」「工芸」の成立は、明治政府の経済政策や制度、言語の整備を中心に議論されてきた。また、それらに付随する「デザイン」の翻訳語としての「図案」に関する議論も、同じく政府機関や官立教育機関における事例を扱った、いわば「制度としての図案」として議論されてきた。 本研究は、このような「制度としての図案」と並行して存在していた、地域社会や産業と深く結びつきながら発展した「営為としての図案」に着目する。図案とその制作者である図案家が職業として成立し、地域や産業とどのように関わりながら発展したかを分析することで、より現場に即した「図案」を視野に入れた日本の近代デザイン史確立を目指す。
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研究実績の概要 |
2022年度の研究は、「あかね会原画」(京都丸紅株式会社所蔵)の再調査とハーバード大学燕京図書館へ訪問し、同館が所蔵する近代の日本で出版された図案集、図案雑誌資料を中心に調査した。 大正末期から昭和初期頃に丸紅商店株式会社で結成された「あかね会」で制作された「あかね会原画」の実物調査は、事前調査で未撮影になっていた資料を中心に調査した。本調査では、原画約600点の全容を把握するために未完了だった資料の基礎情報を取得するとともに、記載情報などを読み取り資料の情報を整理したうえでリストを作成した。また、あわせて資料評価もおこない評価額を決定した。さらに、資料の一部に経年による劣化が見られたことから、所蔵者と修復および長期的な保存の方針を立て、可能なものからクリーニングと修復を依頼した。調査した原画の一部は丸紅ギャラリー開館記念展Ⅳ「染織図案とあかね會」で公開した。 ハーバード大学燕京図書館への訪問調査では、日本国内の機関で所蔵されていない、もしくは所蔵館が少ない資料を中心に基礎情報を取得してリストを作成した。本調査で得られた資料の情報は、国内の機関で所蔵されている図案集の情報とあわせて資料の所在を明確にするとともに、図案家・図案団体の活動状況を分析するための手掛かりとする。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「あかね会原画」の実物調査は、2022年度に概ね完了し、原画の一部は丸紅ギャラリーの展覧会で公開することができた。また、ハーバード大学燕京図書館が所蔵する図案集の実物調査は、当初の計画では2023年度に実施する予定であったが、先方とのスケジュール調整で2022年度に前倒して実施することができたため、本研究は順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度の研究は2022年度の調査により資料情報が揃った「あかね会原画」の資料データを精査するとともに、同会の運営状況、図案を提供していた作家などの関連事項を研究するとともに、ほかの企業、工房などが所蔵する図案関連資料の調査に着手する。また、図案集の研究は、国内の所蔵館を中心に調査し、所蔵状況を把握するとともに、海外の所蔵状況とあわせて情報情報を補完することを目指す。
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