研究課題/領域番号 |
22K00191
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01060:美術史関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
肥田 路美 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (00318718)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 道宣 / 霊験説話 / 中国仏教 / 神僧 / 安世高 / 羅漢 |
研究開始時の研究の概要 |
中国の唐時代初期に活躍した道宣(596~667年)の晩年の著作『集神州三宝感通録』三巻のうち、「神僧感通録」として巻下に収録された後漢~南北朝時代の三十人の僧をめぐる霊験説話について、原文の訓読・現代語訳と、仏教美術史の観点からの詳細な注解をおこない、毎年度末に成果を刊行する。本書の現代語訳・注釈は国内外で初めての試みであり、羅漢や高僧に関わる造形と信仰、僧の肖像と生前の行業や臨終時の様相との関係、入寂と墓葬美術の関係などの問題を考える基盤となろう。
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研究実績の概要 |
本研究課題は、唐代初期の学僧道宣の著作『集神州三宝感通録』巻下の掉尾に置かれた「神僧感通録」を対象とし、そこに収録された後漢~南北朝時代の三十人の僧俗をめぐる霊験説話を詳細に読解し、そこから抽出される問題を掘り下げて論ずることを目的としている。 2年目に当たる2023年度は、曹魏時代の朱士行、西晋時代の耆域、東晋時代の仏調、揵陀勒、抵世常、闕公則、滕並の各条について、校勘、訓読、現代語訳と詳細な注釈を進めた。また、これらの条に取り組む過程で「神僧感通録」の序文および安世高条における聖果、神報などの語義の解釈についても再考が必要なことに思い至り、あらためて読み直しをおこなった。結果として、注の総件数は113件に達した。そのうち特に仏教美術に関係する項目としては、霊鷲山中の大迦葉、能仁仏の付した太衣、神の為に仏寺を建立すること、僧侶の服章についての戒律、トウ利天宮、天匠、旧い寺塔の発掘、仏像の法量としての八尺、鉢いっぱいの香飯と維摩経のイメージ、木を刻んで僧のすがたに擬すこと、などがある。 また、これと並行して前年度の成果をまとめた『美術史料として読む『集神州三宝感通録』―釈読と研究(十五)』を8月に刊行し、国外の研究機関や関係する研究者に配布した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画では、滕並条までの各条を扱った成果をまとめ、『美術史料として読む『集神州三宝感通録』―釈読と研究―(十六)』として年度末に刊行することを目指したが、研究代表者が体調を崩したため進捗がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は、引き続き東洋美術史、説話文学、仏教学、中国史を専門とする大学院生ら有志との研究会方式で、23年度の成果のまとめと並行して、新たに竺法進、李恒、仏図澄、釈道安、単道開、何充の僧、桓温の尼、杜願の僧、廬山の僧、竺僧朗、梁法相、杯度、釈道冏、求那跋摩、侖の両尼の各条の訓読と現代語訳を行う。
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