研究課題/領域番号 |
22K00200
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
平井 李枝 宇都宮大学, 共同教育学部, 准教授 (90741299)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 日本歌曲 / 演奏法 / 平井康三郎 / ピアノ演奏法 / 声楽演奏法 / ピアノ / 声楽 / 平井保喜 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、日本を代表する作曲家である平井康三郎の日本歌曲の演奏法を明らかにしようとするものである。平井康三郎の日本歌曲の歌唱およびピアノ演奏には、独特の演奏解釈や演奏表現が必要であるが、それらの演奏表現法の神髄は楽譜に記載されていない。本研究では、作曲者本人から受け継いだ演奏解釈や一次資料の調査分析を基に、作品の歌唱法およびピアノの演奏表現法を解析し、文献および映像資料として後世に継承することを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、作曲家平井康三郎の日本歌曲の演奏法について、作曲者の意図した演奏解釈や一次資料を基に演奏法を解析し、その演奏法を文献および映像資料として後世に継承することにある。初年度である令和4年度は平井康三郎の日本歌曲集より《日本の笛》および《平井康三郎名歌曲第1巻》の研究を行った。2年目となる令和5年度は《日本の花》および《平井康三郎名歌曲集第2巻、第3巻》を研究対象とし、一次資料の収集、作品リストの作成、作品の分析、作曲者自身による演奏録音の分析、演奏家へのインタビュー、演奏法の解析、研究発表を行った。一次資料の収集では、平井康三郎が改名する以前に出版された本名「平井保喜」名義で出版された各種初版楽譜などを多数入手することができ、それらを用いて、楽譜の比較研究を行うことができた。また、演奏法解析では初年度に引き続き、第一次継承者である研究協力者との演奏実践研究を綿密に行い、歌詞の解釈、発音、発声、歌唱法、ピアノ演奏法について解析を行った。特に、歌唱法とピアノ演奏法の包括的な楽曲解釈について、楽譜に書き表されていない演奏法を継承するための様々な方法を研究した。それらを総括し、演奏を行い、録音・録画資料の制作を行った。 研究発表は、国内公演を多数行った。海外における研究発表は、初年度に引き続き国際情勢の悪化による航空運賃高騰、円安、所要時間の増加等の影響により渡航は実現できなかったが、オンライン等を用いて研究発表を行うことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
―次資料や文献資料の収集、作品リストの作成、対象楽曲の分析、作曲者自身による演奏録音の分析、演奏家へのインタビュー、演奏法の解析、研究発表は初年度に引き続き2年目も順調に進んでいる。研究発表は文化庁事業「Dr.りえのおしゃれなクラシック」をはじめとし、国内35講演行うことができた。これらの研究発表では、わかりやすく日本歌曲を解説する方法を探求することができた。これは、海外において日本歌曲の講演する際に楽曲への深い理解を促すための手がかりとなる。また、録音・録画資料の制作も順調に進んでいる。海外における研究発表は、国際情勢の悪化による航空運賃高騰、円安、所要時間の増加等の影響により渡航は実現できなかったが、月一回程度の頻度でオンラインを用いてインタビューや意見交換、研究発表を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
3年次は、平井康三郎の日本歌曲より、《平井康三郎名歌曲集第4巻、第5巻》を研究対象とする。これまでに引き続き、一次資料の収集を行う。また、音源リストの作成、対象楽曲の作品分析、演奏家へのインタビュー、演奏法の解析、録音・録画資料の作成を行う。作品分析と演奏法の実践研究では、詩と音楽の関係、歌とピアノの関係に着目し、楽譜に書き表されていない独特の表現法について、さらに探求し、その演奏法を後世に継承できるよう、文献や録音録画資料を制作する予定である。国内および海外における研究発表を予定している。特に海外の研究者から対面での研究発表が望まれているため、渡航を実現させ、海外における日本歌曲の発信と、聴衆の理解や感受についてさらに研究を進めたいと考えている。
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