研究課題/領域番号 |
22K00210
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
竹内 潔 鳥取大学, 地域学部, 准教授 (10805534)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 地域劇場 / 公的支援 / 自治体 / 文化政策 / 対話 / 地方公共団体 / 政策過程 / 鳥取市 / 鳥の劇場 |
研究開始時の研究の概要 |
地域社会との関わりを重視し、主に演劇や舞踊の上演を行う施設である「地域劇場」に関し、それらを含む概念である「公共文化施設」「公共劇場」については、主に先進的施設の活動の分析から、それらがいかに公共的価値を持つかについて明らかにされてきた。 本研究では、いくつかの「地域劇場」を対象とし、関係する地方公共団体の内部において、その公共的価値がどのように認識・評価され、財政支出等の意思決定がなされているのか、その仕組みや要因について、行政文書等の客観的資料や行政職員への聞き取り等によって解明する。
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研究実績の概要 |
地域劇場に対する公的支援の新しいモデルを模索するため、前年度に引き続き、鳥取県及び鳥取市が支援する「鳥の劇場」(鳥取市鹿野町)の取り組みと鳥取県・鳥取市の政策について調査するとともに、県外の事例調査も積極的に進めた。具体的には、かつて本研究代表者が計画に関わり、本年度開館に至った「水戸市民会館」(茨城県水戸市)や、拙著『アートがひらく地域のこれから』で取り上げた「小美玉市四季文化館(みの~れ)」(茨城県小美玉市)、現任地の近隣で古い芝居小屋を再生させた「出石永楽館」(兵庫県豊岡市)、東日本大震災の被災地の宮城県内(仙台市及び石巻市)の劇場等を訪れた。 茨城県や宮城県の施設は、東日本大震災から12年余りの時を経て、地域の復興のシンボルとしても期待されていることが窺えた。兵庫県豊岡市の出石永楽館は、再生整備から15年が経つが、毎年の大歌舞伎公演のほかに地域住民にも積極的に利用され、親しまれる施設になっていることがわかった。一方で、いずれの地域でもこれらの施設整備に対して住民の間での意見の違い(対立)があり、そうした対立を乗り越える対話の場や機会が多様に設けられていたことも見えてきている。地域劇場に対する公的支援の持続可能性を模索する上で、このような点が重要なのではないかと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
鳥取県内を中心に、県外を含めた複数の事例の調査を進めることができ、比較の材料が得られるとともに、公的支援のモデルの再構築に向けた重要な視点を得ることができたと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
地域劇場に対する公的支援の持続可能性を担保するうえで重要と考えられる地域住民(市民)同士の対話の場づくりについて、効果的な方策は何かを事例調査で明らかにしつつ、現在の自治体の組織制度上の特性に照らした場合の制約と今後の改善の可能性を具体的に検討していく。
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