研究課題/領域番号 |
22K00221
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
高島 章悟 宇都宮大学, 共同教育学部, 准教授 (70466952)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | オルガン / 演奏 / 教材開発 / 金管楽器 / 初学者 / ユーフォニアム / チューバ / アンサンブル / 楽曲 |
研究開始時の研究の概要 |
合奏におけるユーフォニアムとチューバは主に伴奏を担当する楽器であり、メロディーを演奏する機会が少ないため、メロディーから伴奏までを網羅したアンサンブルのための練習曲がほとんどない。また、教育・社会団体に所属する奏者は、集合して練習する機会が限られ、短時間で集中的且つ効率的に練習を行い技術を向上させる必要がある。 本研究では、ユーフォニアムとチューバによるアンサンブルを対象に、その形態の確立、演奏技術の向上を促進する教材を開発する。教材の作成、さらにコンサートによる実践と調査に伴った評価・改善を行うことにより、今後の管楽器教育現場に広く活かされ、貢献できることを企図している。
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研究実績の概要 |
昨年度は個人の演奏技術を観察しながら、オルガンの音色によるイメージを確立させるべく、オルガン奏者2名を被験者とし、編曲した楽譜の元となる楽譜の演奏(録音)を行った。8月には録音が完了し、ユーフォニアム奏者・チューバ奏者それぞれ事前に録音されたオルガンの音源を事前に試聴してもらい、その後、個々の演奏技術を観察した。結果、演奏上においてしばしば出てくる「後押し奏法」を中心とした不安定な要素が解消され、被験者からも「イメージをすることにより、音程や音色だけでなく音の始めから終わりまでの型をイメージしやすい」という感想が寄せらた。これにより、オルガンによる演奏は奏法の改善や調整に有効であることが認められた。現在、教材開発のためにコンサートホールを使用してレコーディングによる発表を行っている。 音のイメージと演奏技術という観点、また初学者や経験の浅い奏者にも活用できるよう教材開発することから、楽譜を演奏する前に演奏のためのメカニズムを掲載することを考えている。金管楽器は3から4本のヴァルブや1本のスライドのみであり,運指に関しては単純である。そのため,初学者にも適していると考えた。以上のことから,特別支援学校の知的障害のある生徒が音楽に対する興味・関心を高める方策として金管楽器の音を出す技能の習得を目的とした研究も併せて行った。これを遂行するために生徒の興味・関心を引き出すための動画教材を作成した。また,その動画教材を活用した1単位時間の授業設計を行った結果、全ての生徒はマウスピースのみの活動から楽器を使って音を出す段階まで進み、音楽に対する動機づけの向上,楽器演奏に対する意識の高まりが見られた。 これらにより、開発する教材が、より広く活用されることを見込んでいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度に続き、新型コロナウィルス等感染症の影響と、それぞれ本職を持ちながら休日を利用して活動をしていることに加え、転職、職場の人事異動による影響から、奏者が集合するためのスケジュール調整が難航し、講習を含めた実験の回数を十分に確保することが困難であった。また一部その影響による各奏者の楽器を演奏するための練習時間の確保が少なかったことも要因となった。
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今後の研究の推進方策 |
楽譜は四重奏に作成しているが、楽譜の活用方法の一つとして、次の3点を提案する。(1)個人奏法を確立し、音の始めから終わりの型を整えること。(2)4人で演奏しなければならないわけでなく、2人や3人で演奏する際にパートの割り振りを自由に選択し2重奏または3重奏による演奏も可能であること。(3)各パートを一人ずつ演奏するだけでなく複数名で演奏し、すべてのパートを4人以上で演奏することも可能であること。 出版社(全音音楽出版社およびカワイ出版)と連携し、来年の教材の出版に向けて内容を検討していく。2022実施状況報告書で示した講習内容①から③を継続し、レコーディングによる発表を行う。特に①の個人奏法の確立に関しては、楽器演奏のためのメカニズム、音を出すことをどのように捉えるか、演奏時に心がけることを整理し、アンサンブル(複数で合わせる)に展開できるように、教材に掲載するための材料としたい。特別支援学校における研究では高等部の生徒に金管楽器の音を出す練習を実施し、音楽に対する動機づけの向上が見られた。今後は被験者を増やし、より詳細に分析していきたいと考えている。
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