研究課題/領域番号 |
22K00227
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
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研究機関 | 東京藝術大学 |
研究代表者 |
横川 十帆 東京藝術大学, 学内共同利用施設等, 助手 (90881821)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | バイオアート / メディアアート / イカ / 映像メディア / 生命科学 / 生物発光 / 頭足類 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究ではメディア考古学的視座からの理論的考察に基づく、頭足類の体色変化と海洋微生物の生物発光を用いた映像表現を、ポストデジタル以降のイメージの実践として提案する。 近年メディア研究の新たな展開としてイメージを生命になぞらえ、従来の視覚文化研究を人類学的なスパンで再構築する「イメージ人類学」と呼ばれる試みがなされている。一方で、合成生物学や遺伝子工学の著しい発展を背景に、メディアアートの新たな展開としてバイオアートが注目を集めている。本研究では人類学的なスパンを持った昨今のイメージ研究の展開を、バイオアートの実践への理論的考察として取り入れることで、映像表現のあり方を物質的基盤から捉え直す。
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研究実績の概要 |
生命現象を用いたイメージについて、令和4年度は研究実施計画に基づき、以下の制作実践と成果発表を行なった。 まず研究に扱う頭足類の入手先として専用の生簀を持つイカ料理専門店と交渉し、イカの定期購入が可能となった。そこで購入したイカを用いて、2022年5月に東京藝術大学大学美術館陳列館で開催された「擬風景展」にてパフォーマンスを行なった。その後も2022年8月、2023年2月にそれぞれライブパフォーマンスとしてイカを用いた作品発表を行なった。作品の制作にあたり、国内の頭足類研究者による研究会に参加し、頭足類研究の動向だけでなく、頭足類の入手先についても知見を深めることができた。 作品発表と並行して、作品の背景となる理論調査を行った。W.J.Tミッチェルやハンス・ベルティングらが提唱するイメージ人類学を参照し、人間以外の生物や、技術的なネットワークなど、人間以外のアクターを伴う作品として本研究の制作実践を考察し、その成果を論文にまとめた。 この成果をまとめる過程で、科学技術史、美術史において生物もしくは生命現象が扱われた事例を調査した。この成果は本研究の歴史的な位置付けを考察する上での足がかりになると考えられる。 さらに音をイメージとして記録する「フォノグラフィー」の一環として、本研究課題で制作した作品を考察し、口頭発表を行った。当該発表では、音が電気信号としてイカの細胞の動きに変換されていく過程を、ステファン・ヘルムライヒの「トランスダクション」概念を拡張する一例として論じた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実施計画に記した内容で研究が進行しており、研究成果発表も定期的に行うことができたため。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度から研究代表者の所属部局が変更となったため、研究計画の内容を一部修正する必要が予想される。実験設備や制作環境については適宜関係機関に協力を仰ぎつつ本研究課題を遂行する予定である。
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