研究課題/領域番号 |
22K00231
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
筒井 宏樹 鳥取大学, 地域学部, 准教授 (40707064)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 美術批評 / 戦後日本美術 / スーパーフラット / 現代美術 / 現代アート / リトルマガジン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、主に1980年代以降の日本の美術批評を通時的に再検討することで、 戦後日本美術批評史の包括的な視座を打ち立てることである。戦後日本の美術批評は、近年国内外において再評価の機運が高まっている。だが、それらは総じて1945年から1970年代までの言説を対象としたもので、1980年代以降については十分に検討されてこなかった。対して本研究は、申請者が取り組んできた美術批評研究および戦後日本美術研究の成果を基盤として、地方の美術批評、女性美術批評家、外国人美術批評家、リトルマガジンの言説も視野に入れながら、1980年代以降も含めて美術批評の変遷を描き出すことを目指す。
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研究実績の概要 |
1980年代から2000年半ばまでの日本の美術批評を調査した。主に調査したのは、90年代から2000年代半ばにかけてのネオポップからスーパーフラットに至るまでの言説である。スーパーフラット・プロジェクトを始動させた村上隆の理念、背景、経緯、人的ネットワークを確認するとともに、スーパーフラットをめぐる論争を中心に検討した。東浩紀、浅田彰、岡﨑乾二郎、松井みどりら論争の中心人物の言説から、建築業界や広告業界への波及、海外における言説なども調査した。その成果は刊行予定の単著に組み込まれる予定であるが、関連したアウトプットとして、「TOKYO POPとは何だったのか」(『美術手帖』2022年7月号書評)がある。 また、1980年代から進む戦後日本美術の再評価の動向について調査した。「現代美術の動向Ⅰ-Ⅲ」展(東京都美術館、1981-84)、「前衛芸術の日本 1910-1970」展(ポンピドゥーセンター、1986)など、戦後日本美術を扱った展覧会を検証するとともに、具体美術協会の再評価の言説についても調査した。『絵画の嵐』展図録(国立国際美術館、1985年)、千葉成夫著『現代美術逸脱史』(晶文社、1986年)、尾崎信一郎「生成と持続-具体美術協会再考」『A&C』誌(1-10号、1987-1989年)などが主なものである。その成果は刊行予定の単著に組み込まれる予定であるが、関連したアウトプットとして、「戦後美術の試金石としての具体」(『美術手帖』2023年3月号書評)がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の進展はおおむね順調である。アウトプットに関しては、刊行予定の単著を準備している。
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今後の研究の推進方策 |
(1)2000年以降の日本の美術批評の言説を調査・検討していく。特にインターネットの浸透による美術の言論状況の変化、震災など社会的出来事と美術批評の関係について探っていく。(2)地方の美術批評の言説についても調査していく。そのうえで、ミニコミ誌、機関誌などのリトルマガジンも含めて収集・調査をすることで、情報量を増やすことを目指していきたい。
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