研究課題/領域番号 |
22K00233
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
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研究機関 | 福知山公立大学 |
研究代表者 |
橋田 光代 福知山公立大学, 情報学部, 准教授 (20421282)
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研究分担者 |
片寄 晴弘 関西学院大学, 工学部, 教授 (70294303)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 聴き比べ / 認知的音楽理論 / 音楽教育 / オンライン教材 / オンライン教育 / 教材開発 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は「聞こえ」の違いを手がかりとして、帰納的に音楽知識を理解していく音楽教材構成方法論と音楽教材の構築、さらに教材をインターネット上で無料利用できる学習サービスを提供していくことを目的とする。知的探求型の取り組みではなく、教材ウェブサイトを構築・一般公開し、教材としての精度を高めていくことが研究の主眼となる。研究期間終了後は、民間研究資金あるいはクラウドファンディング等で運営にかかる資金調達を実施した上で、 一般公開を続け、参照音源リンクを追加していく予定である。
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研究実績の概要 |
本研究は、音楽教材のオンライン化を目指し、特に「聴こえ」の違いを利用した教材構成方法論と音楽教材の構築に取り組んできた。コロナ禍が終息し、教育形態が対面主体に戻る中で、オンライン教材の存在意義が問われている。しかしながら、本研究の過程で明らかになった日本の人口分布の現状から、音楽を学ぶ機会が義務教育終了後に急激に減少するという課題が浮き彫りになった。これは音楽に対する憧れがあるものの、知識を失った、あるいは学ぶ機会がなくなった大人たちが、再び音楽に触れるための障壁となっている。音楽教育活動の対面再開に並行して、時間や場所を選ばず自由に学習できるオンライン教材開発も進展させることの重要性を改めて認識するところである。
今年度は、引き続き既存の音楽教材の現状調査と語学学習サイトの調査を進めつつ、「聴こえ」の違いに留意した能動的音楽鑑賞インタフェースの機能構築を目指した。また、ポップスのMelodic Gravityを可視化するための研究も行い、階層的暗意実現の計算モデルを提案した。このモデルは、GTTMのタイムスパン木を利用し、楽曲の階層的な暗意実現を分析記述する手法を提供する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の進捗状況はおおむね順調と判断する。計画段階ではオンライン教材の開発を主眼としていたが、結果的には、音楽教育の課題抽出とその解決へのアプローチについての幅広い研究に繋がっている。特に、音楽教育が義務教育終了後に急減する問題の浮き彫りと、その解決に向けた教材の提供は、当初の計画以上の進展を見せている。
以上の状況から、本研究は全体としては順調に進行していると言えるが、特定の項目については遅れが生じている。遅れが生じている部分については、研究協力者全体で解決策を模索し、進行状況を改善することを目指している。それにより、今後、オンライン音楽教材の開発とその利用を通じた音楽教育の振興に更なる貢献が期待される。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策については、以下のポイントを重視して取り組んでいく予定である。まず第一に、音楽鑑賞インタフェースのテスト利用者獲得を進めることである。教材の利用者からのフィードバックを収集し、改善を行いながら、教材の精度と有用性を高めていく。第二に、教材の効果を評価するための実証実験を実施する。教材の利用者に対してプレースメントテストや習熟度テストを行い、教材の学習効果や理解度の向上を評価する。また、教材の利用状況を分析し、利用者の属性や学習パターンを把握することで、より適切な教材の提供と個別化された学習支援の実現を目指す。
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