研究課題/領域番号 |
22K00243
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
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研究機関 | 東京藝術大学 |
研究代表者 |
今井 美幸 東京藝術大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (40808309)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2026年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 漆芸 |
研究開始時の研究の概要 |
漆芸は、現存している縄文時代の遺物からも実証されているように、固化すると耐久性を持つ漆樹液を幾重にも積層することにより制作される日本を代表する工芸の一つであり、技術や技法など国内各地の産地によって発展を遂げてきた。その技法の中に、下地や塗装面に仕組みを作ることにより表層に変化を与えることができる「変塗(かわりぬり)」と呼ばれる技法がある。本研究は、伝統技法である「変塗」と漆塗り面の加工の検証を行う。
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研究実績の概要 |
現存している縄文時代の遺物からも実証されているように、固化すると耐久性を持つ漆樹液を使用した漆器は、近年、抗菌のみならず抗ウイルスについても効果があることがわかってきた。 鞘塗りや漆器として長年使用されてきた変塗技法は、堅牢で装飾性も高く、漆樹液を使用するため安全性があるとされ、漆芸表現技法として多くの可能性を秘めている。その変塗技法を継承し現代の技術や素材と融合することにより、次世代の変塗技法へと発展させることを研究するため令和4年度におこなったこれまでの調査研究を含めた情報整理や収集の情報から、実際に変塗技法の検証を開始した。また令和4年度に引き続き、日本国内においての伝統的技法検証や日本の漆文化と比較するため、世界各国の漆と塗料について技術と文化の側面から検証のための国内外の漆芸に関する書籍や資料の検証もおこなった。 変塗技法を検証するためのテストピースの大きさや素材をはじめ、今後の研究の進め方についても考察した。その際に、使用する素材とウルシによっても様々な違いがあることがわかってきた。温度や湿度などの環境に左右されることが多々あるため、その土地に合わせた素材を使用し状態を観察する必要性を改めて感じた。 国や地域によって異なる技法は、長い歴史の中で培われたものである。その技法を検証することで、継承のみではなく現在の方法に置き換えることを検討し、今後に繋げていくことが可能であると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナウィルス感染症の影響により海外への調査研究に制限がかかっていたことや、調査研究に十分な時間の確保ができなかったため、進捗状況は大幅に遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
漆芸技法の文献や資料から得られる情報とともに、日本各地に広がる伝統的産地で現存する変塗技法工程の制作検証をおこなう。 また、素地に施す下地材や塗布工程の試作として、木地、下地、布、漆樹液などで凹凸を作った表面に漆を塗り、漆の透け具合などを検証する。 日本の漆文化と比較するため、世界各国の漆と塗料について技術と文化の側面から検証をおこなう。
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