研究課題/領域番号 |
22K00253
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
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研究機関 | 沖縄県立芸術大学 |
研究代表者 |
小西 潤子 沖縄県立芸術大学, 音楽学部, 教授 (70332690)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2025年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 北前船 / 民俗芸能 / 目連尊者地獄巡り説話 / 盆踊り / 北陸 / 琉球弧 / 大分 / 豊岡 / 北前船ルート / 目連尊者地獄巡り / 盆踊り歌 / 海洋文化研究 / 参加型研究 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、石川県白山山麓地域の「じょうかべ」、富山県南砺市の「ちょんがれ」を手がかりに、民族音楽学、民俗芸能等の文献資料より日本全国の「目連尊者地獄巡り説話」系盆踊り歌を抽出し、それらの分布を北前船寄港地および昆布密貿易ルートと照合する。そして、白山山麓と南砺市をはじめ、琉球列島から大隅諸島、その他の北前船寄港地の中から対象地域を絞り込んでフィールドワークを行い、共同体ベースの参加型研究への協力について同意を得る。そして、広域を繋いでの共同体ベースの参加型研究を実施する。
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研究実績の概要 |
本研究は、北前船ルートに広域的に分布する「目連尊者地獄巡り説話」系盆踊り歌をめぐって、17世紀末から18世紀初頭以降の海のルートによる継続的な物と人間の往来に伴う「知」としての民俗芸能の往来と各地での構築を明らかにし、共同体ベースの参加型研究を通じて地域文化と人々の再接合をし、各地域が抱える複合的問題の解決への道筋を見出すことを目的とする。(1)民族音楽学、民俗芸能研究、海運史などの文献資料収集と整理(1年目~)、(2)対象地域におけるフィールドワーク(1~3年目)、(3)共同体ベースの参加型研究(2~3年目)、(4)広域の再接合(3~4年目)、(5)研究の取りまとめと成果発表(4年目)の5段階からなる計画を立てている。 2年目にあたる今年度は、江戸時代に北前船寄港地であった鹿児島の指宿、山川を中心に、鹿児島、大阪、沖縄を結んだ豪商・濱崎太平次関係、花尾神社(鹿児島市)、枚聞神社(指宿市)にて琉球使節団関係の資料収集を行った。また、鹿児島市や坊津の隠れ念仏跡地や密貿易屋敷等を訪問し、北前船寄港地と念仏伝播の関係性を探った。さらに、比較対象として、北前船寄港地・兵庫県浜坂・諸寄地区での盆踊りを含む資料収集と関連施設見学等を行った。 「目連尊者地獄巡り説話」系盆踊り歌については、大分県立図書館で県内各地の関連資料収集を行うと共に、杵築市の複数個所での盆踊りの実態調査を行った。これにより、現在、同盆踊り歌の継承地が限られる中で、大分県では同盆踊り歌が極めて重要に位置づけられていることがわかった。これらの調査結果をもとに、大分県内の「目連尊者地獄巡り説話」系盆踊り歌に関する論文を執筆した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大分県、鹿児島県の図書館や資料館、現地関連機関等で、琉球列島から北陸に至る島嶼地域を中心とした念仏系歌謡や海運史等の文献資料収集を行い、琉球弧に分布する念仏歌に関する先行研究から大いに示唆を得ることができたほか、海運史上きわめて重要な豪商の活動拠点を訪問して情報収集ができた。また、大分県杵築市における盆踊り調査結果をまとめた論文を南砺市関係者に情報提供し、参加型研究に向けての準備として対象地域の共同体間の関係づくりを進めることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の対象地域は広域にわたり、テーマに関わる文献資料は民族音楽学、民俗芸能研究、海運史など分野を横断していることから、今年度得た文献資料や情報を手掛かりとして引き続き関連資料の収集と整理、フィールドワークを行う。また、参加型研究の準備を一層進め、広域の再接合に向けて調査研究を行うこととする。
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