研究課題/領域番号 |
22K00254
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
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研究機関 | 目白大学 |
研究代表者 |
馬場 一幸 目白大学, メディア学部, 専任講師 (20621791)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | フィルムスキャン / 映画フィルム / スマートフォン / デジタル化 / デジタルアーカイブ / 小型映画 / 映像資料 |
研究開始時の研究の概要 |
科研費(JP18K12255)により開発した技術を応用し、スマートフォンとウェブアプリケーションによる全く新しい映画フィルムのスキャンシステムを開発した。この極めて低コストのデジタル化技術は、平時には映像制作や希少な映像資料の発掘を促し、突然の災害で一度に大量の被災フィルムが生じた緊急時には即時のスキャン作業実施を可能にする。 試験運用で明らかになった問題点として①作業者のスキルによって結果にバラツキが生じる②より高画質化が望まれる、の二点が挙げられる。これらを解決するため、接写装置やソフトウェアの開発と並行してワークショップを実施し、技術の改善と普及を図る。
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研究実績の概要 |
スマートフォンで映画フィルムを接写撮影する際の補助装置を制作した。また、撮影した動画を処理するプログラムを公開した。 映画フィルムのスキャンは古い世代の映像技術と現在とを繋ぐ重要な技術であるが、いつでも手軽に利用できるものとは言い難い。基本的には専用のスキャナ装置が必要とされる。そこで、そうした専用装置を、良質な撮影が可能で、しかも多くの人が持っている(そのために調達が容易な)現代のスマートフォンに置き換えようという構想に至った。スマートフォンを活用したフィルムスキャンは有望ではあるものの、肝心の映画フィルムを接写すること、フィルムの1コマの内容が十分な大きさで捉えられる程度のサイズ(接写撮影)で常に安定した撮影をするのは難しい。そこで接写撮影のための補助装置を制作した。この補助装置にスマートフォンを取り付けて使用することで、従来よりも安定した接写撮影が可能になる。また、撮影された動画を処理するプログラムもバージョンアップして公開した。基本機能は既に開発が完了していたが、今回、処理の効率化と簡素ながら画質向上の機能を搭載した。 スキャンの仕組みや手順については、日本映画テレビ技術協会の機関誌で公表した。 補助装置とプログラムは、手軽で低コストに映画フィルムのデジタル化を行えるようにすることを目的としている。アマチュアかプロかを問わず、映画フィルムの簡易スキャンを行いたい人たちの背中を後押しするものである。今後、より多くの人たちがこの補助装置を用いて、映画フィルムの魅力を再発見することを期待している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
スマートフォンでフィルムを接写する際の補助具について、試作と実験をくりかえしたところ、機能はするものの、最終的に得られる動画の品質に不満が残る結果となってしまった。改善には、①接写装置の部品を高級化、②画像取得作業手順とソフトウェア処理の見直し、の2通りが考えられた。①は簡便かつ低予算という方向性に逆行するため、②の方法での対応を模索している。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度前半には装置およびソフトウェアの安定版をリリースする。後半以降、フィルムスキャンのワークショップを実施する。
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