研究課題/領域番号 |
22K00259
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分01070:芸術実践論関連
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
鏑木 陽子 (米沢陽子) 立教大学, キリスト教学研究科, 特任教授 (10638357)
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研究分担者 |
大角 欣矢 東京藝術大学, 音楽学部, 教授 (90233113)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2025年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | ザムエル・シャイト / 宗教的コンチェルト / ドイツ・ルター派 / 礼拝音楽 / 小編成声楽作品 / 初期ドイツバロック |
研究開始時の研究の概要 |
シャイトの声楽作品の様式は、三十年戦争の影響により教会での音楽活動が困難を極めた1630年前後を境に大きく変化する。本研究では1630~40年の中期作品に光を当て、楽曲分析と演奏実践の両面から実証し、声楽作品の作曲家としてのシャイトのより確かな再評価を行う。①『宗教的コンチェルト』第1巻の校訂譜作成 ② 楽曲分析によるシャイトの対位法技法と音楽語法の解明 ③1630年代の教会音楽家の雇用状況を調査 ④ シャイト時代の礼拝を再現し、その中で演奏実践を行う(Webでも公開) ⑤一般の合唱指導者・愛好家を対象にワークショップを開催 ⑥『シャイト演奏ハンドブック』出版、以上の内容で取り組む。
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研究実績の概要 |
2022年度はザムエル・シャイトの中期(1630~1640年代)の声楽作品集『宗教的コンチェルト Geistliche Konzerte』(以下、GKと略)第1巻~第4巻所収曲の概要(各曲の声部編成、教会暦との関係、礼拝における用途等)のデータ化を行なった。研究課題18K00242で扱った『カンツィオネス・サクレ Cantiones sacrae』(1620年、以下CS)が複合唱(8~12声)と管弦楽を伴う大編成の楽曲であるのに対し、GKは三十年戦争とペストによる惨禍で壊滅的な打撃を受けたハレの町がようやく落ち着きを取り戻し始めた1630年から出版が開始された曲集である。所収曲はいずれも通奏低音を伴う3声部編成が大半を占める小編成の作品である。このことはドイツの人口が半減したとも伝えられる社会状況にあって、教会音楽の担い手も減少し、シャイトが小編成の作品を作曲せざるを得なかったことを示している。 GK所収曲の詳細な楽曲分析は2023年度以降、本格的に着手する予定であるが、第1巻において、コラール定旋律および対旋律の用い方に関してはCSとの大きな差異は認められない印象である。 本研究では2024、2025年度に17世紀中葉のハレにおける礼拝(主日礼拝、晩課)の演奏実践を再現する予定である。目下、17世紀ドイツ・ルター派の礼拝式次第に関する資料収集を続けている。17世紀前半のハンブルク聖カタリナ教会における演奏実践は楽譜が出版されており、それらも手掛かりにしながら礼拝の構成を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初、初年度は一般の合唱音楽愛好家向けにワークショップの開催を考えていたが、新型コロナウィルス感染症が依然終息していないことから、開催を見送った。 またドイツの図書館におけるGK初版譜の現物確認調査、筆写譜等の調査、礼拝関係の資料収集も渡欧を延期したため未着手である。
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今後の研究の推進方策 |
2023年8月にドイツ及びスウェーデンの図書館に赴き、現地調査を行なう予定である。 また2023年度は年度末に、ワークショップの開催を予定している。第1部は研究分担者の大角欣矢による作品解説及び作品分析、第2部は研究協力者のサリクス・カンマーコアのメンバーによる合唱のワークショップである。会場は立教大学チャペル会館2階マグノリアルームを予定している。
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